第34話 対決

ついにフルルvsパフィン。

……フルルがもし負けたら。どうしよう……

「負けないよ~!」

「パフィンちゃんだって!」


レディー……ファイッ!


①可愛さ勝負

「フルルー!フンボルトペンギーン!」

「飛んで泳いでチマチマ歩くパフィンちゃーん!……ふふ、パフィンちゃんは元気っ娘です。グレープが天然な彼女に惚れるわけ……って惚れてる!?」

そりゃそうだ……見た目もいいし……一目惚れだからね。

「それに胸も~……」

「フルルの方がパフィンちゃんよりデカイだと……!?屈辱っ……」

いや最終的にそこで決まるのかよ!


②知識勝負

「ふふ、先攻はフルルさんでいいでーす!」

それだけ知識には自信があるのかパフィン……

「……外の世は 馬鹿と変態 後は金」

「……」

めっちゃ黒い俳句だな!あーでもでもフルルが外の世界でも仕事してるからこそのこの俳句だよね……!

「後攻パフィンちゃんでーす……知ってますか!?アイドルは恋愛禁止なのでーす!」

「……それとっくの昔に解決してるよ~?」

「……ええええええ!何でですか!アイドルは恋愛禁止なのに!」


「……グレープがフルルに恋したのは外の世界なんだよ。叶わない恋を必死に叶えようとする情熱がよくて……フルルもグレープにOKして……ジャパリパークには本当の愛があるからアイドルが恋愛してるの!」

「……フルルさんはパフィンちゃんの知らないところまで知ってるでーす。……グレープはフルルさんの方がいいのなら……やっぱりパフィンちゃん……」


タッタッタ


パフィンは駆け出した。

……確かに気持ちも分からなくないが仕方ない。

「……それと。」


パフィンは急に立ち止まって言った。

「盗み見はいけない事ですよ。マーゲイさん。」

「え!マーゲイ!?」

(なっ……どこに……)


タッタッタ


パフィンは先に行ってしまった。


スタッ


木から何かが降りてきた。

「……すみません!」

マーゲイだった。深々と頭を下げている。

「何で盗み見?」

「……やっぱりフルルさんはグレープさんと付き合うのかなって。」

「当たり前じゃないの~?」

「私も……ファンとしてフルルさん達PPPが好きでした。でも……本当の愛はここにあるから……グレープさんにフルルさんを渡さずにはいられなくなって……」

「つまりマーゲイはフルル達PPPが好きでパフィンはグレープが好き……でもどっちも失敗に終わっちゃった……って事?」

「……説明も済んだ事ですしいいでしょう?少し用事が……」

そう言ってマーゲイは去っていった。……あれ?そっちはパフィンが逃げた方じゃ?


「……パフィンさん。」

「何ですか!」

「私はパフィンさんの気持ちがよく分かります。……だから。」


スッ


「お菓子食べて元気出して下さい……!」


「あれ?マーゲイがパフィンにお菓子あげてる……」

(何でだろ?)

「んー……でもいいや。フルルとグレープは先帰ってよう!」

(う、うん……)



マーゲイはパフィンにお菓子をあげていた。

でもいつもとは違うところがあった。

あの変態のマーゲイが『誘拐犯』じゃなくて『パフィンのお姉さん』に見えたんだ。






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