第33話 号泣
「これより!『フルルを慰めるパーティー』を始めるわよー!」
「失恋したみたいな響きだけど失恋してないからね~……?」
「じゃあ『パフィンを待つパーティー』でどうだろうか?」
「それでいいよ~……」
そう。失恋はしてない。僕もフルルをフッてない。ただパフィンを待っているだけ。
「絶対パフィンの事考えないもんね!フルルはパフィン大嫌いだもん!」
そうだといいけど……
「まずはじゃぱりまん食べましょう!こうちゃもありますよ!」
「へーいいなー!」
「他にはどんな食べ物があるんだー?」
「えーと……じゃぱりちっぷす?」
「……」
それパフィンが紹介した食べ物ー!
やめてジェーン!目で圧を送ってやるー!
「あー……これは食べない方がいいですね!」
よーしよしよし。もうパフィン関係出てくるなよ。
「そう言えば今日はコウテイの日ね!」
成る程……5月10日→5 10→ご てん→コ テ→コウテイ……って分かりづらっ!
「ああ。私の日には私も夢の翼で大空を……」
「飛んで……泳いで……チマチマ歩く……」
パフィーーーーーーーン!
(パ、パフィンにはペンギンとの共通点がありすぎるから出てきちゃうんだよ……)
「んー……」
「お菓子ある?」
「パフィンってお菓子大好き……グレープじゃなくてお菓子と結婚して……」
「……で、そのちほーは西の方にあるんだって!」
「パフィンの和名ってニシツノメドリ……」
「う、歌でも歌って気分を盛り上げればいいのでは……」
「心の中のきみは♪……そう言えばパフィンの心の中にはいつもじゃぱりちっぷすがあったな。」
自分で歌って自分でしょげた!?
「……駄目だ。やっぱりパフィンに説得しないと心が落ち着かないよ……」
(……大丈夫?)
「泣きたい……泣きたいのに……グレープには困り顔ばかり見せてた……だから……」
(辛い時は泣いていいんだよ。)
「……へ?」
(僕が困り顔見せられてどう思うかなんて僕次第じゃん。……今は泣いていいよ。)
「グレープ……うぅ……」
ぎゅっ
「やっぱり……フルルはパフィンと……対決するよ!だから絶対パフィンに浮気しないで……!やくそく……だよ……!」
(うん!やくそく!)
この時だけフルルは笑顔だった。
僕とフルルが笑顔で交わしたやくそくは永遠に消えない。
それはフルルも分かっている……
だからか、フルルは立ち上がった。
「あら、どこ行くの?あなたこのパーティーの主役でしょう?」
「パーティーはいいよ。……フルル、パフィンと戦う!」
「……戦うんですか?」
「パ、パフィン!」
「じゃあ少しこちらに来て下さーい。フルルさんとグレープとパフィンちゃんで決着をつけまーす。」
「……うん。」
そう言って僕とフルルはパフィンについていった。
僕が応援するのはもちろんフルル。
……パフィンも本気。かと思ったけどこの戦い、少しおふざけ……?
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