第25話 自由

「自由に遊ぶぜー!」

あんかけが叫ぶ。

「何でー?」

「だって明日の朝か昼には僕はここを出なきゃ。いつまでもここにいると体に良くないし、多分しばらく来れなくなるし……だから思い出を作っておく!」

「成る程~」

(じゃあこの3人で思い出を作ろう!)


「まずはしりとりしよう!」

「しりとり~?」

あんかけはしりとりについて教えてくれた。

「簡単だね~!」

「じゃあしりとりの『り』から行くよ!」

「リラクゼーション!」

「……」

(……)

可愛い。そんな彼女のボケにどこからツッコもうか。


「しりとりは難しすぎたかな?みずべちほーは広いし鬼ごっこもいいかも……」

「おにごっこ?」

「狩りごっこと同じ感じ!」

「でもフルル達は地上では不利だよ~。だから水中でしよ?」

「……」←あまり速く泳げないヒト


「縄跳びは出来るよね……」

「縄跳びは知ってるかも!」

「俺に任せろ!」

イワビー?

「ナワトビペンギン」

「18点」

「なっ!?」


ドシューーー


「ブットビペンギン!?」

僕は寒いのが苦手なの知ってるよね?


「んー……あっち向いてホイしよう!」

またあんかけは説明をしてくれた。

「分かった!じゃあグレープとやる!」

よし、フルルとあっち向いてホイ……あ……

「じゃんけんぽい!あ……」

「グレープじゃんけん出来ねぇ……」

(フルルもチョキは難しいし……)


「はー、どうしよう……」

「休憩!じゃぱりまん食べよ~」

「そ、そうだね……」


もぐもぐもぐもぐ


「美味し~!」

「ねぇ……やくそくのうたってグレープさんに向けた歌……だよね?」

「そーだよ?何で?」

「この歌って飛んでるイメージがあるからのグレープさんに絶対会いに行くって歌だよね?『初めて出会った海』っておかしくない?」

「あれ?あれ?じゃあ海で出会ったのはPPPのみんな?」

「多分僕は……みんなと天国のグレープさんに会いに行く歌だと思う。だから初めてのじゃぱりまんシーンはPPPなんじゃないかな?」

「そうなの?」

「まとめると1番はグレープさんへ向けた歌。2番は仲間ペパプと一緒なら天国へ行ってグレープへ会いに行けるよって言ってる歌って事……?」

「そっか……そっか!」

すげぇ……ヒトってすごく賢い!

でも今僕は天国じゃなくてジャパリパークにいる。本当に良かった……


「って何か『遊び』から脱線してるね!あはは」

「平和とか自由っていいよね~」

(でもいつかパークの危機が訪れたら……)

「その時はみんなで解決してさ、ドッタンバッタンほのぼのな毎日に戻すんだよ!」

(……そっか。)



僕達はきっと平和な『イマ』を大切にしなきゃいけないんだ。

悲しい『カコ』は捨てて、明るい『ミライ』を創っていかなきゃ!

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