第10話 旅行(ふぃにっしゅ)
目を覚ますと、白黒の物が目に映った。
えっと……あ、フルルの服か!ってかフルルはまだ寝てるし……
ぐー!
あ、お腹すいた……
「んー……?あれ、まだ夜だー」
(ここはお部屋『しっとり』だよー?もうとっくに朝だよ~)
「あ~本当だ~!ドアの向こう明る~い」
(でしょ?朝御飯食べよう!)
「うん!フルルもお腹すいた!」
「朝御飯ですね?普通のじゃぱりまんとカレーをつけたじゃぱりまんがあります!」
「かれー?」
「料理の一種らしいわよ!」
「あ、プリンセスー」
料理……だから晩御飯の時『晩御飯は普通のじゃぱりまんしかない』って言ったのか。……なるほど!
「みんなで食べよう。」
「待ってましたよ!」
「2人とも遅いぜー!」
「みんなー!じゃあフルルかれーつける!」
(僕もつけてみる~)
「かれーをつけたじゃぱりまん2個で~」
「かしこまりましたー!」
かれーをつけるとなんだか新鮮である。
いつもは普通のじゃぱりまんを食べているから以外考えられない。
じゃぱりまんはかれーをつけても美味しい。素晴らしい食べ物である。
「かれーを食べると漫画のアイディアが浮かぶ気がする……」
「先生頑張って!」
(あ、あの2人も信頼し合えてる仲……なのかな?)
「フルル達だって負けないよ~!」
(そうだね……同じフンボルトペンギンだもんね!)
僕は誰よりもフルルの事をたくさん考えている。どのコンビの中でも僕とフルルのコンビは1番最高だろう。
「昨夜は泊めて下さりありがとうございました!」
「こちらこそ泊まって下さり嬉しいです!ありがとうございました!」
「「「さようなら~」」」
「じゃあ。」
「またねー!」
ばすは走り出した。次第にゆきやまちほーに入った。
「楽しかったね~」
(うん!色んな思い出があったね……)
「グレープといるならなおさら良い思い出だよ!」
フルルは笑った。この旅行の中で1番良い笑顔だった。
この旅行は僕の心にくっきりと刻みこまれた。
「合格です」
「バスはやるので旅行に行きたければそのバスで行くのです。」
「ありがとう博士!」
「良い旅行が出来たよ」
「楽しかったです!」
「最っ高だったぜ!」
「フルルが1番最高だと思ってるよ~」
フルルは僕の方を見て、それから言った。
だから僕がいた旅行がどうしても楽しかったんだな。
「取り敢えず今日は休むのです。」
「疲れると無駄にお腹がすくですよ。」
「じゃあそうさせてもらうわ。」
バタッ
「「「疲れたーーー!」」」
みんなダウンした。
「次のライブまではまだ時間があるので今日はゆっくり休みましょう!」
「じゃぱりま~ん……あった~」
(僕のも取って~)
「いいよ~はい!」
(ありがとう!)
この旅行は本当に良かった。温泉のような温かさと、観覧車のような楽しさが詰まった、しっとりとした旅行であった。
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