魔法フレンズ!すたーがーでぃあん

みずかん

プロローグ

それは唐突に訪れた。


真夜中。一筋の流星がパークに落下したのだ。音も無く。


「ココハ・・・」


漆黒の物体は、身体を変形させた。

その姿は、人間の形だ。

しかし、まだその姿は“不完全”である。


(ホシ、ノ、チカラヲ、カンジル・・・

ワレノ、フウインヲトケルカモシレン・・・)


「ワガナハ...、シリウス...、ホシノ...、チカラヲ...、ウバイトル...」






(あれ、なんだろう・・・)


偶々、山の方面を見ていたリカオンはその流星の落下を目撃した。

ここから、推測される落下地点はそんなに離れてない。


(気のせいかな・・・)


しかし、特に気にも留めてなかった。




ヒグマとキンシコウは、眠りについている。


(寝よう・・・)



そうして目を閉じた。




(・・・ん?)


勝手に目が覚めた。


「えっ...」


後ろを振り向くと、黒色のモノが、ヒグマたちの前に立ってる。

咄嗟に飛び上がった。


「ちょ、ちょっと!誰ですか!何してるんです!」


黒い物体の身体に触れようとしたとき、頭痛が襲った。


「アッ...」


「オマエ、ノ、カガヤキ、ウバウ...」


痛さに耐えながら口を開いた。


「なんだか知りませんけど...、先輩たちに手を出さないでください...」


「ワレニ、ハムカウノカ...」


黒い物体は右手をリカオンに伸ばした。


「うっ...、あっ....、くっ...」



「オマエ、ワレノ、シモベダ...」















「キリン・・・、遅いなぁ・・・」


廊下に出たアミメキリンが中々戻ってこなかった為、少し心配していた。


(何かあったのか・・・?)



バタン...



突然、扉が開いた。

フラフラしながら、部屋の中に入って来たのはアミメキリンだった。


「せ...、先生...、早く逃げ...、て...」


バタりとそのまま倒れた。

その姿は、深い眠りに落ちたような。だが、安眠の顔ではない。

何かに怯える様な顔だ。


「おい!どうした!しっかりしてくれ!」


身体を揺さぶるが、起きる気配はない。


「ホシ...、ノ、カガヤキ...」


黒い姿をした者が、部屋を扉から覗いた。


「だ、誰だよ!!」


思わず、後ずさりした。


「カガヤキ...、ウバウ...」


「や、やめてくれ...、や、やめろ!!」







「あっ...、寝過ごした...!」


(急いでステージに出なきゃ・・・、でもどうしてみんな起こしてくれなかったんだろう・・・)


彼女がステージに出て見た光景。

自分の仲間や観客が全員ぐったりと倒れている。

まるで世紀末だ。


「・・・えっ」


その時、後ろから...。











「な、何者ですか!!」


「カガヤキ...、ウバウ...」



「待つのです・・・。何が目的ですか。“カガヤキ”とは?」


「じょ、助手!?」


間に割って入った彼女に驚きを隠せない。



「サイキョウノ...、チカラ...、ソノミナモト...

オマエタチカラ...、ウバウ...」



「私はこの島に詳しいのです。フレンズが沢山いるところなら知ってるのです。

手を貸します。だから、博士だけは、手を出さないでください・・・」


「助手...」



「・・・・」


じっと、その得体の知れない物体を見つめた。


「オマエ、ワレト、コイ...」









バサッ...、バサッ...



『ココガ、ジャパリパーク、ダネ。

“スターガーディアン”ヲ、サガサナクチャ...』

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