日曜日の昼下がり
久しぶりに、高校時代の友人とお茶を飲むことになった。
「そういえば、この前高校時代の友達と話してたんだけどね」
「うん」
「子供の頃にやってたアニメの丸山先生っていたじゃん?」
「あー…いたいた。懐かしいな」
「あのキャラって、25歳なんだって」
「えっ…へぇー……」
俗に言うループ系作品の場合、登場人物が年齢を重ねる事は珍しい。
同じ年を繰り返す(やりなおす)か、そもそも季節の概念はあっても年越しという概念の存在しない作品も複数存在する。
主に、ご長寿系のアニメ作品の場合は後者だろう。
つまり、丸山先生は私が存在を知った幼稚園児の時から、今日までずーっと25歳のままだったことになる。
「ねぇ…気づいてる?私達、いつの間にか丸山先生よりも年上になってるんだよ?」
そうか…。
ずっとずっと、丸山先生達は同じ場所に居るんだ…。
『ループ系』にも色々種類はあるけれど、ある意味では書籍や映像作品もループしているのかもしれない。
同じ物語(人生)を、私達が触れる度に繰り返しているんだ…。
一度読み終わって本を閉じても、また表紙を捲れば彼らの物語は繰り返す事になる。
愛華さんも、きっとどこかでループから抜け出せなくなっているのかもしれない。
助けてあげたいけど、私は物語を鑑賞する傍観者でしかない。
私に、物語への干渉権限があれば…それか、愛華さんの舞台を観劇することができれば……。
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