第104話 ダークエルフの種族内 楚・漢戦争一時休戦? (4)

 赤帝の名の通り、ダークエルフなのに、真っ赤な顔をしてさ。


 でもね、当の御本人でもある呂雉様はと言うと、これと言って気にもしていない素振りで。


「あなたが、のらりくらりとして、決めかねているから、妾が代わりに決め手あげただけですよ。いけませんでしたか? あなた?」


 呂雉様は、ギラギラと目を光らせて、自身を睨み付ける劉邦赤帝に対して、恐れ戦く訳でもなく。


 逆に呂雉様自身の腰に手を当て、ふんぞり返り睨みつけ──。自分自身は何者に対しても動じない素振りを夫である劉邦赤帝に見せつけた──。


 それも、上から目線でね。


 もう、こうなると?


 いつ夫婦喧嘩が起きても可笑しくない、一触即発状態なのだ。


 だから周りにいる重臣達はね、子房様と蕭何様意外は、『おどおど』と、慌てふためき始めた。


 皆どうして良いか解らないからね?


 と、此方が思っていると。


「あ、姉上、ここは寝所ではなく、公衆の面前すから、どうか言葉をおつしみください。お願いします……」


 余りに二人が険悪なムードなので、義理の妹でもある樊噲はんかいが、皆を代表するように、呂雉様をこの様に述べ諌めた。


 すると呂雉様は、『チッ』と、舌打ちをされたよ。


 でッ、その後は。


「……じゃ、樊噲はんかい、貴方がしんかりをしなさい分かりましたか?」


 今度は夫の劉邦赤帝ではなく、義理の妹の樊噲はんかいに、しんがんりをするようにと命令を下したのだ。


「お、お前は、いい加減にしろぉおおおっ! 自分自身が何様だと思っているのだぁあああっ! 先程から人にばかりしんがりをしろと申しているがぁあああっ! そんなにしんがり! しんがり! と、申すなら呂雉──! お前がしろぉおおおおおおっ!」


 此れには流石に劉邦赤帝も、とうとう堪忍袋の緒が切れてしまってね。こんな感じで呂雉様に怒号を放ったのだよ。


 さてさて、此れには、流石の妖艶悪女の呂雉様も、俯き泣き始めるのでは?


 と、此方も思い傍から凝視していると。






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