第90話 項籍・項羽と韓信! (59)

 でもね、が今、パソコンのモニター画面の中を覗いて──覇王妃様を確認してみても。既に遅し……。


 愛馬 "騅" に跨る美しいダークエルフの項羽彼女自身は、敵の血糊を多々白髪の髪に赤色のメッシュのように散りばめて──。


 自身の長い髪を風で揺らしている。


 それも覇王妃様自身が愛用をしているを天高く掲げているお姿は、傍から見ても──惚れ惚れするような容姿で、格好の良いの一言だけれど……。


 あくまでも今の覇王妃様の容姿は、傍から見ても分かるように、制作者達の手でプログラミングして作られた3Dの映像容姿なのだ。


 だから先程のような二次元のリアル容姿の覇王妃様ではないのだよ。


 あああ、勿体無いね、籍は。早くパソコンのモニター画面の中を覗き込めば良かったのにと、此方も傍から見ていて思うのだが。当の本人でもある籍は、もう覇王妃様を凝視するのはやめてね。


 何食わぬ顔をしながら、今度は慌てて画面の右下へと視線を変えている。


 う~ん、どうやら? 画面右下にある、ゲーム内のキャラクター達の会話が確認出来るログ欄が気になるらしい? 慌てて流れているログ欄をマウスで丁寧に戻しながら、籍自身が凝視しながら確認をしているのが傍からも確認出来るよ。


 でッ、籍自身が流れるログの記録を手繰り寄せて確認をしてみると──。


 そこにはね、国士無双の韓信様 、離反の策が成功──。青の御旗へと寝返ると記載されているログが目に入る!


「うそぉおおおおおおっ! マジでぇええええええっ! やったぁああああああっ!」


 するとさ、直ぐに籍から歓喜の声へが上がってきたよ。それこそ? 下の部屋や家の外にも聞こえるような籍の歓喜の声──。


『…………』


 あれ? 可笑しいな?


『…………』


 う~ん、全く反応がないね? 下の部屋にいる両親からも……。


『籍ぃいいいいいいっ! 静かにしろぉおおおおおおっ!』と、下の部屋でテレビを見ながらくつろいでいる両親から、怒号が放たれると此方も思っていたのに反応がないね?


 何故だろうか?


 もしかしたら? 籍の歓喜の声が聞こえていない?


 家の外にも聞こえるぐらいの大声だったのに、下の部屋に居る両親には聞こえていないとは、本当に魔訶不思議だね?


 まあ、此方が皆で困惑をしながら悩んでいると。


〈パキ! パキ! バキィー!〉


 あああ、やはり、そう言った事なのか? また物の怪……怨霊の類といった者達の仕業のようだ。


 だって、籍の部屋の天井の至る所から怪奇現象の前触れでもあるラップ音がまた聞こえ始めた。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る