第84話 項籍・項羽と韓信! (53)

 今の今迄韓信様の隊に、押し返されていた覇王妃様の隊ではあったが。覇王妃様と残存兵による渾身の力を込めた──火事場の馬鹿力による鋒矢ほうしの陣による突撃の方が、これでもか! と、傍から見て思うほどに決まり始めたから。韓信様の隊は総崩れを始め出したのだ。


 でッ、今迄天を仰いでいた状態であった韓信様自身も、ふと、我に返り辺りを見渡すと──。韓信様自身の兵達の屍があちらこちらに散乱しているのが目に映ると、『あああ……』と、落胆をした声を漏らし気落ちした様子だね。


 まあ、そのまま韓信様は気落ちした様子で、降伏と言った感じかな? と、此方も傍から見ていると──。何かを腰から抜き始めた。


 でッ、腰から抜いた物を韓信様、自身の首に当て始めた──。それはね?


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