第66話 項籍・項羽と韓信! (35)

 そんな生々しい断末魔と血しぶきが上がっている様……。


 それこそ、馬に踏まれて悲鳴を上げる者や、首の無い胴体等は切り口から血が垂れている……。


 それに片腕や片足等も無い者等も多々いる残酷な映像を籍は、何も気にした素振りもなく……と、言うか?


 また何かに取り憑かれたように興奮をしながら魅入り凝視しているのだ。


「それぇええええええっ! ほらぁああああああっ! みんなぁあああ、頑張れぇええええええっ!」


 傍から見ると誰に述べ鼓舞をしているのか、解らない言葉を籍は、高らかに声を上げて鼓舞をするのだよ。


 相変わらず何者かに取り憑かれながら。


 まあ、取り憑いているは、まあ、傍から見ていても一体誰なのかは? 見ていて分かるのだが。


 まあ、話せば長くなりそうだから。また機会があれば話そうと思う。


 でッ! 話しが変わり、只今のモニター画面の中の世界はどうなっているのか? と、述べると。


 戦場で殺戮を繰り返す両陣営の兵士達は、倒れた屍など全く気にもしないし、手負いの者達が敵味方関係無しに助けて欲しいと絶叫を上げていようが、手を払い放置して──踏みしめながら。


『突撃ぃいいいいいいっ! 突撃ぃいいいいいいっ!』と、歓喜に似た声を上げながら勇んで突撃を繰り返し行うよ。


 青と赤の御旗が立ち風で靡く限り……。

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