第57話 項籍・項羽と韓信! (26)

 でッ、覇王妃様の見詰める先にあるのは、愛おしい "籍" の姿なのだよ。


 まあ、が熱い眼差しで見詰める籍はと言うと。


 夏侯嬰かこう えいの隊を後方から突撃をして混乱をさせ、優位に戦を運んでいたのだが、彼は青い御旗を随時 翻している訳だから。


 敵の将兵達には良く目立つ訳で、最初は混乱をしていた敵兵達も自軍内に敵の御大将が生首ぶら下げているのを凝視すれば段々と士気が上がると言うものだと思う?


 だって今の籍の状態は、状態な訳だから。


 敵兵達の士気は大変に上がるし。大将首欲しさに我先にと思う者も多々いるとは、此方も傍から見て思う。


 実際先程 偃月えんげつの陣で混乱を生じて、慌てふためきながら後方へと逃げていた樊噲はんかい曹参そうしん隊も今や、籍の青い御旗に気が付いて、籍の首と手柄の恩賞欲しさに 夏侯嬰かこう えいの隊と合流──そのまま攻撃参加をしている状態なのだ。


 だから只今籍は、敵の三将率いる隊と、三対一で孤立奮闘をしながら交戦をしている状態なのだよ。


 それに引き換えの方はと言うと?


 劉邦赤帝自信を自分達の後方の安全な場所で待機をさせて、いつでもになれるようにと、準備をしてくれている状態だから。


 主を想う気持ちは、よりもの方が、もしかして、情が熱い? 史実の通りに……?






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