第38話 項籍・項羽と韓信! (7)

 まあ、そんな様子の籍なのだが、自身の腕を組み始めると──。


「うぅ~ん、うぅ~ん、どうしよう?」


 彼は頷きながら声まで漏らし始めたのだ。そんな籍の様子を韓信彼女はさりげなく自身の目で確認をすると──。


 韓信彼女自身の口端を吊り上げ、笑みしたのだ。


 でも籍は、そんな韓信彼女の様子も気づかずに。相変わらず自身の腕を組み、韓信彼女の処分をどうしたものか? と、検討をして悩んでいる様子だよ。


 韓信彼女の策にはまり……。


 その上さ、籍自身は、彼女の美しい容姿に騙され解放す方へと段々と意思が傾いているようだよ。韓信彼女に騙されているとも気が付かずにね。


 だって良く史実を想いだして欲しいと、此方から籍に対して物申したいぐらいだよ。


 国士無双の大英雄様は過去に、ならず者達にイチャモンを付けられて──。


 将来の志しの為にと、武力衝突を避け、ならず者達のまたぐらを抜けた事もある方なのだよ。


 だから自分自身のプライドなどは、彼女は全く気にはしないから。幾らでも他人の足下に平伏しながら涙を流して見せる事など、彼女自身の野望の為なら平気でやってのける事の出来る女性なのに。


 籍は人が良いと言うか?


 考慮が足りないと言うべきなのか?


 

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