23 十三日目 moaninメロン
今日は福井県を海沿いに琵琶湖の東側を通り、京都を抜けて山陰道に入って「道の駅ようか」へ向かうことへした。300km越えだが、そろそろ長距離にも慣れてきた。
朝、公園を出て、昼に滋賀に入ってから丸亀製麺で食事をすると、豊岡にある豊郷小学校へやってきた。某アニメの舞台にもなった小学校は、今はもう廃校になっていて、観光地になっている。
建物の中にあった古いピアノでアート・ブレイキ-のmoaninを弾き散らし、ほどほどに観光して滋賀を去る。
京都に入ると、沢山の原付が走っていた。
一番数が多くて七台の原付が同じ信号を待っていて、オレと鉄朗は目を合わせて「レースが始まる」と頷いた。
信号が青になると同時に、鉄朗が「イッピィイイー!」とどこかで聞いたことのあるスタートダッシュの発声を上げた。
だが地元の人たちの速度感には到底勝たれん。
原付やのに、みんな基本的に50kmで走りよる。
お国柄というのか、運転の気風も土地によってそれぞれ違う。
滋賀は赤が青に変わる二秒前に走り出し、京都は原付に溢れ、北国はもっと慎重になる。たぶん雪が降る土地かどうかも違いにあるやろう。
夜七時に道の駅に着き、またしてもカレーを食べたあと、これまでずっと持ってきていたメロンがそろそろ食べ頃やろうとカットした。(メロンは底が押して凹むくらいが熟した合図、というのを調べていた)
しかし、このときオレは口内炎を患っていて、一切れ食べただけで「もうええわ」となった。鉄朗は一人では食い切れんと、道の駅で仮眠を取っているドライバーたちにメロンを配って回った。
ほとんど移動だけの日で、すぐに泥のように眠った。
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