11.だが断る≪灘流≫



「僕の人生はこうして幕を閉じました。」




どこから突っ込めば良いですか?



まあそれはおいといて、取り敢えずお前は、独りシリアス祭り開催のテテリヤスさんに謝れ。全力で。



「なんで僕が君にこんな話したかわかる?」


真剣な眼差しの親友。



「…さあ。」


「君なら真剣に聞いてくれるかなって。」



すいません。前半、半笑いだったし、気持ち的にもずっと半笑いでした。



「前世の僕が死んだのって今の年齢と同じで、生きてたらいろんな楽しいことやエロいことや、エロいことや、あとエロいことを経験出来たと思うんだ。そしてエロいことも。」



ほぼエロいことな件。



「僕は今度こそ長生きしていろんなエロいものを見たい。有りとあらゆるエロいものを見たいって思う。」


頑張ってください。



「だから…」


親友が心を落ち着かせるように深呼吸をし、決意を込めた瞳で真っ直ぐ俺を見る。


「僕と桐人君のお風呂目当てランニングに付き合ってください!」



頭を下げ右手を差し出す親友。


「ごめんなさい。」


僕と付き合ってください、みたいな言い方されても付き合わねえからな!


勿論僕と付き合ってくださいだったとしても付き合わないが。




「…え、な、なんで、なの?ぼ、僕とじゃ駄目なの?もしかして他に、(一緒に桐人君を見ても)良い(って思う)人が?」



瞳潤ませて振られたみたいな顔してるけど、そういう話じゃないよね!



「俺は桐人に興味無い。」

「え、じゃあどの男性のアレを見たいの?」


「いや、俺はノーマルなんで女「はぁッ?」



なんかすげえ蔑んだ目で見られた。


「男だとか女だとか、そんなの関係ない!皆一緒、同じ人間だよ!なのにそんな差別的なこと言うなんて見損なったよ。」



怒られた。



「じゃあお前は女子の風呂も覗くんだな?」


「は?なんで僕が女の風呂を覗かなきゃいけないの?脂肪の塊とか見て何が楽しいの?平らな胸板、引き締まった身体、程よい筋肉、それこそが至高!どんな宝石の煌めきよりも美しい肉体をこの目に焼き付けるためなら、僕は血の滲むような努力も惜しまないが、努力の結晶を脂肪の塊の為に使う僕ではない!見損なうな!」



お前は自分のモノを見て満足すべきだと思う。世の美形男子の平和のために。






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