鋼鉄人形ゼクローザス

暗黒星雲

ファーストステージ

プロフィール

◇エントリー者のプロフィール

種別:鋼鉄人形

名称:ゼクローザス

用途:拠点防衛用

装備:標準は実剣と盾、追加装甲及び火器も選択可能

全高:10.5m(50cmは頭部の飾り)

装備重量:45t

動力:霊力蓄積型反応炉、基本的な出力は搭乗者の霊力に比例する。

乗員:1名(ただし霊力の弱い者は搭乗不可)


搭乗者氏名:ハーゲン

所属:アルマ帝国辺境守備軍ラメル方面隊

階級:少尉

経歴:アルマ帝国軍士官学校を主席卒業後、帝都防衛騎士団へ配属されたエリート。操縦士ドールマスターとしては帝国最強と言われた男であるが、皇女との不祥事が咎められ辺境の国ラメルへと左遷された。この時大尉から少尉へと降格されている。

容姿:もふもふの毛並みが美しい狐型獣人。毛色はもちろんきつね色

性格:クールで他人には無関心と思わせつつも、実は情に篤い男。

装備:ゼクローザス搭乗時には小型拳銃(38口径、実弾6)とサバイバルナイフ。時々宇宙軍用の光剣を持つがこれは趣味。服装は通常の軍服。防御用(ヘルメット等)の装備は装着しない。


◇エントリー

 俺は少女を膝の上に乗せゼクローザスの操縦席に座っている。この鋼鉄人形は人の霊力を蓄積し駆動する。

 少女の名はテラ。生き別れになった父親に会いたいのだという。今から向かう場所、そこへ行けばその願いが叶うのだと言われた。アルゴルという得体のしれない商人の話だ。胡散臭いとは思う。しかし、この娘テラの切実な思いを叶えてやりたい。そう思った俺はそのアルゴルの話に乗る事にした。

 夜半過ぎ約束の場所へ着く。砦からそう離れていない丘陵のふもとだった。

 俺は操縦席の扉を開いた。

「アルゴル。来てやったぞ。この少女を父親に会わせろ」

「ふふふ。良く来られましたね。ここに来ただけではその約束はかなえられません。貴方は今からある場所へ転送されます。そこである怪物を退治してもらいます。その報酬が少女とその父親の面会です」

 なるほど。そういう事だったのか。テラは首を振り俺の目を見つめる。

「ダメ。危ない。私の為に危険なことはしないで」

「心配ない。大丈夫だ。おれは帝国最強のドールマスターだからな」

 それでも心配そうに俺を見つめるテラ。強がってはいるが俺も不安はある。帝国最強といってもそれは鋼鉄人形同士の格闘戦において無敗なのであって、未知の怪物と戦い勝利する事とは別問題だ。罠の匂いはぷんぷんする。しかし、此処で躊躇してはいられない。

 俺はアルゴルに向かって頷き扉を閉めた。

 アルゴルが何か小型の機械を操作すると俺の目の前に程の光る門が現れた。

「さあどうぞその門へお進みください」

 俺は人形を少しかがませその門をくぐる。一瞬光に包まれたが出たところは暗い洞窟だった。周りは岩なのだが正面は灰色の壁になっている。サイズは高さ10m幅10m位だろう。その灰色の壁がゆっくりと下に下がり奥にある明るい部屋が見えた。

『ナカヘオ入リクダサイ』

 機械音声が案内するまま中に入るが、其処も狭い閉鎖空間だった。一辺がおよそ10mの立方体。壁は白く塗られ天井は淡く光っていて十分な明るさがあった。背後の灰色の壁がせり上がり閉まる。

『コレカラ移動イタシマス。到着マデ4分30秒デス』

 部屋が振動を始めた。後方、左右にGがかかる。結構な速度で移動しているようだ。

『只今実験会場ヘト移動中デス。到着30秒後アナタガ入ッテキタ扉ガ開キ其処カラ出現スル怪物ヲ倒シテクダサイ。ドノヨウナ手段ヲ講ジルコトモ許可サレマス。タダシ、此処ハ地下トナリマス。会場ノ破壊ニハ十分ゴ注意願イマス』

 このような狭い空間で何と戦えというのだろうか。罠以外考えられない。地上なら何とかする気であったが、この狭い地下空間では動きは極端に制限される。どう戦うか思案している所で部屋の振動が止まった。

『到着イタシマシタ。間モナク戦闘開始デス。後27秒、26、25、24、23……』

 俺はモンスターが出現するという灰色の扉へ向かって片膝をつく。盾を構え抜刀する。

『15、14、13、12……』

 カウントダウンは進んでいく。

『間モナク扉ガ開キマス。5、4、3、2、1、0』

 同時に正面の扉が下に落ちていく。

 向こうはこちらと同様の空間であった。そこに居たのは……

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