須王龍野("vs100"参加用)

有原ハリアー

須王龍野について

名前:須王すおう龍野りゅうや


外見:筋骨隆々の大男。詳細は本編の「キャラクター紹介(主要キャラクター)」参照


性格:面倒見が良く、優しい。女性に好かれることもしばしば


経歴:地方の高校一年生かつ魔術の初心者(数ヶ月くらいの経験)


装備:鎧(フルプレート)と大剣。なお外見から「黒騎士」と呼ばれている


能力:『土』属性の魔術を行使する(この中に、上述の装備を生成することも含まれる)


魔力:上述の能力を発動するのに必要な力。質と量で比較されるが、龍野は質も量もトップクラス(ガス欠がほぼ起きない)


戦闘実験参加の経緯:以下に物語の様式で記述いたします(なおこの物語は、本編のIfです。本編と直接の関係はございません)


 俺は黒騎士となる能力を身に付けてから、ヴァイスの指示の元、毎日「使いこなす為の鍛錬」を受けていた。

「龍野君、反応遅いわよ!」

「うおっ!」

 具体的には、「ヴァイスが召喚する氷柱や津波を、回避し続ける」というものだ。

 こう言うとあらぬ誤解を招くだろうが、俺は魔力をロケットのように噴射することで、多少の滞空能力を得られる。

 だからこそ、回避し続けている、というわけだ。

「うふふ……なかなか空中での機動がサマになってきたんじゃない、龍野君?」

「ああ……だが、まだまだだ。この程度じゃ、『空』には到底及ばない」

 俺は敵である、『空』の魔術師を目標としていた。

 敵ではあるが、彼女の空中機動は驚愕だ。

 故に俺は、彼女に匹敵する機動力を得ることを目標としている――。

「さて、そろそろいいわね龍野君」

「ん、もう終わりか?」

「いえ、最後にメニューがあるわよ」

「ああ、そういえば……」

 そうだ。

 魔術師協会の許可を得た上で”魔獣”を召喚し、訓練相手とするのであった。

「それじゃあ、ついて来て」

「おう」

 俺達は階段を下り、地下へ地下へと進んでいった。

 そしてやけに巨大なエレベーター前に到着し、そのまま乗り込んだ。


     *


「ここよ」

「随分殺風景だな……」

 地下の部屋と聞いて、おとぎ話に出るような石造りの暗い部屋を想像していた。

 だが現実は、無機質なリノリウムの壁や床の造りだった。部屋は縦と横、それに高さはそれぞれ10m程度だろうか。いやに数学的な造りだった。

「それでは、行くわね」

「ああ」

 俺はヴァイスの手元にあるカードを見る。

 あれが”魔獣”を召喚するらしい。原理は不明だが、あのカードからの気迫らしき何かは、圧倒的な存在感を放っていた。

「スゥ……『告げる。我が命令のもと、汝を呼び現すものとする! いざ、出でよ!』」

 一呼吸からの、一気呵成の召喚の詠唱。

 だがここからでは、手ごたえを一切感じなかった。俺は。

「成功したわね」

「わかるのか?」

「ええ。このカードの紋様が消え去ったもの。さあ龍野君……貴方の黒騎士の力で、倒してもらうわよ?」

「ああ!」

 大気の震えが激しくなる。

 やがて――


 ”魔獣”が姿を現した……らしい。

 「らしい」というのは、ここからでは見えないからだ。


 俺は生成していた大剣を手に取る。

 いつもの無骨な、それでいて美しい剣だ。

「龍野君、私はここで引き上げることになっているの」

「わかった」

 短いやり取りの後、ヴァイスは帰った。

「さて……退屈だな。いや、敢えて動く理由もねえか」

 俺はひたすら瞑想していた。謎の慣性を感じながら。


 四分半後。

 慣性が無くなったのを確かめると、俺は「いよいよか」と思った。

「カウントダウンを開始します。30,29,28......」

 俺は瞑想を終え、大剣を構える。

「20,19,18......」

 カウントダウンが告げられる毎に、俺の戦意は徐々に高揚する。まるでエンジンが掛かり始めた戦闘機だ。

「10,9,8......」

 さあ、いよいよだ――!

「2,1......0」

 そして、目の前の壁が自由落下したその瞬間――。


 ”魔獣”は、その姿を現した。

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