Clown dom

プロローグ


「はははっ! 死ーんだ、死んだ! みーんな、死んだ! 」


倒れている人達の中心で、狂ったように男はそう叫ぶ。


ーいや、狂っているのだ。


ここはとあるショッピングモール。


床に倒れている人達は皆、今日ここに買い物に来た客だ。


誰一人、ぴくりとも動かない。







ーただひとり、この少年を除いては。



少年は市内の高校に通う、高校生。



「くっ……。」


そう声を漏らしながら、少年は自分を庇ってくれた男性の身体の下から出た。


手には男性から託された拳銃が握られている。







カチャッ






少年は震える手で男に拳銃を向けた。


「ん? まだ生きてたのかよー。」



「はぁっ、はぁっ……。」


「ははっ! 撃てるのかよ、拳銃ってのはー。」


そう言って、男は拳銃を少年に向ける。


「こうやって撃つんだぜ! 」




バァン!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る