河童の恋
隣の佐藤。
第1話
人間が溺れていた。冷たそうな水の中沈んで行く人間を見つめていた。ぶくぶくと口から自分の身体の空気を出して行く。何が原因で溺れたのか私は知らない。
道を引き返して自分の家に行こうとした。けれど溺れて行く人間が気になった。何故か彼は私と似ている所があると思った。きっとそれは私の思い込みに過ぎない。けれど私の心の中は助けなければ、水から引き上げなければとその一心だった。
水の中を泳ぎ人間を見つけた。冷たくなった人間の手を取り地上へ上げる。人間の息は暫くして引き返した。水混じりの咳を出して意識を戻した。
「起きたか?」
「だ……れ……だ?」
掠れていて怯えた声をしている。
「怯えないでいいよ。私は結。君は?」
「………僕は…龍之介だ。」
「ふぅん?よろしく龍之介。あんた1回私の家に来なよ。」
座っている龍之介に手を差し出す。
「嗚呼。」
私の手を掴み立ち上がる。
「よし、それじゃあ行こうか。」
河童の恋 隣の佐藤。 @saigyou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。河童の恋の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます