6
それからというもの。
「赤井翼ァァァ! また勝負だぁぁぁぁぁっ!!」
「よく来たな朱堂蛮! 返り討ちだー!!」
朱堂蛮と愉快な仲間達……もとい、ブレイブVは俺達の学園に遊びに来るようになった。
「あ、あの、お邪魔します」
「…………黄瀬……菓子」
「ぎゃあ!?……く、くるなーっ!!」
黄瀬はすっかり山吹に気に入られたようだ。
ちょっと羨ましい、ような気がする。
そんな俺はというと、
「どうやったらブルーらしくなるのか……研究させて貰おう」
「いやそんなん言われても……」
研究熱心な藍原に熱いまなざしを向けられるという、全く嬉しくない状況にある。
「あれからどう、桃井さん?」
「ど、どうって……」
「ふふ、頑張ってね♪」
桜庭にからかわれて赤面する桃井。ああ、あっちは華やかでいいなぁ……
「青春だねぇ……」
「ええ、羨ましい限りです」
隅っこの方でのほほんとお茶を啜っているのはグリーン二人。
ちなみに俺達はまたいつものように校庭を掃除している最中なのだが……
「どちらがより多くゴミを拾えるか……勝負!」
「望むところだ!!」
後で聞いた話だが向こうのヒーロー同好会の活動内容も俺達とあまり変わらず、ボランティアや掃除をやるなら人数が多い方が良いという事で……学校同士がご近所だったため協力して一緒にやる事が多くなった。
普通ならそれで効率アップする所だが、
「掃除秘奥義、ジャスティステンペストォ!」
「負けるかァァァ! ブレイブタイフゥゥゥゥンっ!!」
と、二人のお騒がせリーダーが暴れるため結果は微妙な所。
「散らかすんじゃないっ!!」
こんな調子だから俺が保護者にならざるを得ないんだ……やれやれ。
「これから苦労しますねぇ、お母さん?」
「お母さんって言うな!!」
これから先待ち受けるであろう苦労や災難を思うと、ひたすら気が重くなるのであった。
まぁ……賑やかなのは嫌いじゃないけどな。
「結局満更でもないんですね☆」
だから人のモノローグを読むなって。
―おしまい―
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます