閑話
このおまじないって学生がやると、ほとんどの場合、自分の五円玉と相手の五円玉が同じになるわね。
しかも、他の関係ない同級生のほとんどの人にも当て嵌まっちゃうから、特別な感じはしないし、ありがたみも気がするわ。
それでも、彼女はおまじないを信じて自分の願いを叶えたんだと思う。
この後、恋人になれたかまでは知らないけれど、こういう一途な想いにあこがれちゃう。
それだけ強い想いがあったんだから、おまじないに頼らなくてもうまくいったでしょうね。
きっと、きっかけが欲しかっただけなんでしょう。
それにしても、自分の生まれた年に製造されたものって、なんだかロマンチックだわ。
自分が生まれた時、全く別の場所で生まれた物が、時を超えて手に入る。
身近な物でも、そんな想いを馳せると、特別な物に感じることってない?
………………………………。
やっぱり答えてくれないのね。
次の話で最後にするわ。
今、電話口で私の声を聞いてるということは、あなたも知っている話。
公衆電話でね、自分が生まれた年の硬貨を入れて、自分の生年月日をダイヤルすると――。
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