いい歯医者は死んだ歯医者だけ?。

雪野花

第1話いい歯医者は死んだ歯医者だけ?。

 いい歯医者なんて死んだ歯医者だけだ!そう思っていた。

誰もが受けたくない医療、歯科。

 痛いし、あの歯科用ドリルの音のイヤーな響き、ガリガリゴリゴリと頭蓋骨に響く不快感。

 昔は麻酔も引きつけを起こすほど痛かった。

 バンバン麻酔を打たれて死にかけたこともある。

 気を付けなければならない(まな板の鯉で気を付けようもないが。)のは抜歯のときで、歯を割って抜いたものの、全部取りきれて無くて口を切ってしまったり、器具が当たって歯を折られたこともあった。

 今は治療の前後にカメラで撮って見せてもらえるから安心。

 痛い時だけ行って、そんな目にあえば当然歯医者が嫌いになるし、行かなくなる。

 抜歯するほど歯科習慣の悪い人間を次に待ち受けているのは歯周病だ。

 私の家族、いや、一族郎党全員歯科習慣が悪い。

 怒らないで聞いて欲しいのだけれど、家庭環境の悪い人には歯科習慣の悪い人が多く、自分もそうだった。

離婚した母も、義父も父もほぼ総入れ歯だし、おじいちゃんお祖母ちゃんもそうだ。

でも母の顔が崩れてきた時はさすがに衝撃的で、この事が自分の歯と向き合うきっかけになった。

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