第2話歯医者放浪記
長い間放っておいた歯が酷くなったのと離れて暮らす母の顔面崩壊を見て、真面目に歯科治療を考える用になった。
もう噛める所が殆んどないし、きちんと治療したい。
でも何処の歯医者にいけばいいのか。
東京には佃煮するほど歯医者がある。
商店街なんか少し歩けば何軒もある
美容室だって初めての所は入りづらいのにましてや歯医者だ。
どう探していいかわからず、結局はクチコミで父の入れ歯を作ってくれた先生の所に通う事に成ったのだが、これは失敗だった。
この歯医者にかかった事がきっかけで、私は壊れてしまうのだ。
細い裏通り小さなビルの3FにA先生の歯科医院はあった。
個人でやっている小さな歯科医院で完全予約制。もう何十年もやっていて親子で通っている人も多いらしい。
が、問診表の最後の質問にこんなことが書いてあって、思わず目が点になった。
(お金に糸目をつけずに自費で!、とにかくキレイに直したい!)
先生.......心の声がだだ漏れです!。
たしかに保険の患者さんは満足の行く治療がうけずらいのが歯科治療だ。でも自費の審美治療の患者さん欲しいならそれなりの場所でそれなりの家賃を払って集客すべきである。
(エレベーターのない3Fだし、足の悪い人やお年寄りには来て欲しくないのかな。)
なにかモヤモヤしたが、まあ医師は腕が良ければよしと。
A先生は小柄な紳士的な方だったが受付の女性はひどく無愛想なうえ、今時滅菌しないままのスリッパに履き替えるさせるのもどうかなーって言うのはあったが、まあいいや。
レントゲンを撮って、麻酔して、さあ治療。
ん?麻酔の針引っ掛かかった?上唇に。
謝らないな先生。
気がついてないのかプライド高すぎて謝るのが嫌なのかどちらだろう。
まあ、痕が残るようなものでもないし。
抜歯はスムーズに終わって、クラウンの型どりをして最初の治療は終わり。
「sさん、今後の治療方針ですが、今日歯を抜いた所の両脇の歯を削って4列ブリッジを入れる形になります。」
「ブリッジですか、初めてなんですけどどんな感じなんでしょうか?」
「ああ、ちょっと待ってね。」
先生はファイルを取り出してブリッジの写真を見せてくれた。
そこにはギラギラした4列の銀歯が写っている。........
「......先生、白い歯っていくら位ですか?」
「えっ?白い歯入れたいの?4列だから一本9万円かける4で、36万円だね。セラミックなら14万だから56万ですよ。」
「高っ!」
思わず声に出してしまった私に先生は、吐き捨てるようにいった。
「自費の治療ですからね。普通ですよ?お金ないなら聞かなきゃいいのに。」
「初めてで分からないもので。」
「大丈夫、保険のブリッジでもちゃんと噛めるから。じゃあ次回は右上の虫歯の治療ね。」
感じ悪い。
でもきちんと直すって決めたし、治るまでのガマンだよね。
いい歯医者は死んだ歯医者だけ?。 雪野花 @sagaefrom
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