閑話 シュンとリィナの婚約話

 ※三人称視点



 とある日の公爵家。

 そのリビングに近い目的の場所は、フワフワのソファとカーペットが敷かれ、木の床からは良い匂いがするという天国が広がっている。


 そこで、シュンとリィナがイチャイチャし、レイがそれを眺めていた。

 ほのぼのとした雰囲気に水を差す者もおらず、まさに平和な光景であった。

 リィナに膝枕されているシュンは、半分寝ている状態だ。


 その黒い髪と、頭を優しく嬉しそうに撫でるリィナ。

 それを、さらに気持ち良さそうに感受するシュンとで、かなり甘い空間が完成していた。


 そこへ、レイが疑問を口にした。


「そういえば、シュンとリィナは何時から互いに惹かれ合っていたんだ?」


 暫く考えた後、2人とも顔を赤くしていった。

 やはり、自分が何故相手に惹かれたのかを相手の前で言うのは恥ずかしいのだろう。


「そ、それは……その…………」


「べ、別にそれはどうでも良いんじゃない?」


「なら、シュンは何故かリィナに惚れていたと。そういう恋は長く続かないと聞いたことがあるな。何よりも、相手が何故自分に惹かれたのかを知るのも大事らしいぞ」


 何故かは不明だが、物凄く重要なことを言えるレイに驚きながらも、シュンとリィナは一理ある、と思った。

 恥ずかしいことに変わりは無いが。


「うぅ~~。じ、じゃあ、僕からで良い?」


「なら、次はリィナだな」


「…………わ、分かりました」


 先ほどの一言が効いたのか、2人とも素直に頷いた。


「僕がリィナに恋したのは、1年前の事だ―――――」


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