貧しい家の娘・タカと、貧しい家の少年・栄助の切ない物語です。
タカは家にお金を入れるために働きに出ます。
でも10歳そこそこの女の子が働ける場所なんてそうそうありません。
そこで旅館での飯盛女(私娼)として、姉さんや後輩とともに働きます。
そこで、"ある事件"が起きてタカの心は変わってしまいます。
厳しい職場環境、厳しい上下関係、逃げられない環境、そして結ばれない恋心。固い約束。
櫻の樹に伝わる悲しく切ない物語。
そしてそれだけでは終わらない、ラストのエピソード。
ゾクッと最後にホラーが待っています。
古い時代のお話にもかかわらず、文章がとても読みやすくて、一気に読みました。
『猫の手』ファンには、もはや鳥肌もの!
本編の『猫の手』には、真文という名の少女がおり、この真文が目に櫻の怪異を宿すところから物語が始まる。この『櫻幹に結ぶ』はその「櫻の怪異」がいかにして生まれたのかという物語。
時は江戸の遊郭。美しくも悲しい独特の世界観が、読者を引き付けて放さない。作者様の手腕がよく現れていると感じた。この遊郭を舞台に友情、恋愛が描かれる。
強い友情は、激しい恋心は、果たして櫻幹に結ばれた物に届くのか?
そして友情がもたらしたもう一つの物語とは?
いくら言葉を尽くしても足りないくらいに素晴らしい作品です。
是非本編もご覧いただき、この物語の深さに浸ってみて下さい。
絶対、お勧めです!