幕間

第104話 第一章終了後 キャラクター紹介

『神谷 樹』

 本作の主人公。年齢は十六歳で、晴香とともに異世界へと飛ばされる。

 小学生のころに不注意から妹を現実世界で失くし、それを境に人と深く付き合うことに対して恐怖心を抱くようになった。それにより、本来の他人想いで優しい性格はなりを潜め、他者と異常に距離を取る性格となった。


 しかし中学二年で晴香と出会い、晴香のおせっかいともいえる優しさに触れることによって、段々とその排他的な性格は矯正されていく。高校に入学したころには、ある程度の人付き合いも可能になった(これは、樹の性格が元々は社交的であったからである。矯正というよりは、元も性格に戻りつつあるという方が正解である)。


 異世界(アルトレイラル王国)に飛ばされた際、ひどく取り乱す晴香を見て自分がしっかりしなくてはという思いが芽生え、全てを自分一人で成し遂げようと考えるようになってしまった。これが、第一章で晴香と衝突した原因となっている。


「自分は、考えること全てが自分の利になるように考えている」という感覚を抱いており、根っから他者のためのことなど考えていないと思っているため、自分のことは現実主義者であり自分勝手と捉えている。故に、自分のことが大嫌いである。


 晴香に対しては、明確な好意を抱いている。しかし、妹を失くしたことからくる恐怖心で、想いを伝えるということはできないでいる(これは、それ以上の関係になって、もし晴香がいなくなってしまった場合自分の心が耐えきれないという自己防衛本能から来ている)。


 戦闘方法は近接戦闘で、魔法・魔術の類は一切使用できない。その代わり、世界樹でできた刀を所持し、それにオドを巡らせることによって高周波ブレードのような状態へと刃を変え、ゲームの世界で使っていた攻撃スキルを使う(魔術を使えないが、ミレーナ曰く純粋な戦闘能力なら騎士に匹敵するらしい)。

 また、ミレーナ曰く、昔とっていた弟子に瓜二つらしい。


『雨宮 晴香』

 本作品のヒロイン。樹と同じく、十六歳。樹と共に異世界へ飛ばされる。

 ルックスは良く、告白されるということもざら。一か所にとどまると注目を浴びることもしばしばあり、樹からは便利機能扱いされている(ただし、当人としては言われてもあまりうれしくはない模様)。性格はやさしく、頼られたり相手が喜んだりということをするのが好き。樹のことも、最初は戸惑ったが、過去を知ることによって放っておけなくなった(ただし、この行為自体には「卑怯なこと」と断言しており、負い目を感じている)。のちに、明確な好意を抱くことになる。


 両親は多忙で、幼少期は大半を父方の実家で過ごす(しかし、両親との関係は極めて良好である)。そのためか、他者との関係というものにあこがれており、ひとりの時間よりも他者といる方が楽しいと感じる。


 異世界へと飛ばされたのち、自身に魔法・魔術の適正があることを知らされる。樹にはその才能がなかったことから、今度は自分が樹をささえられるようになると決意する。しかし、修行が上手くいかないことも多く(修行開始時は魔術すら発動せず、魔獣との実践では恐怖のあまり嘔吐してしまっていた)、樹よりも劣っていると感じ、焦りを覚えることもしばしばあった。この感情が、のちに樹との衝突を招く。


 戦闘方法は、主に後方からの魔術攻撃である。小規模よりも大火力の魔術を得意とし、ルナと三人で行動するときは後方から二人を援護する。召喚者と呼ぶにふさわしく、火・水・風・土の四属性全てに特性があるため、理論上はすべての魔術が行使できる(ミレーナ曰く、潜在能力はミレーナ以上)。


 第一章最後で無事樹とは仲直りを果たし、同時に樹の弱さに触れる。そこで、樹は大人なのはそうせざるを得なかったからだと知り、自分には弱いところを見せてほしいと告白する。


 朝に弱く、起きてすぐ動くということができない。

 また、ミレーナ曰く、昔の知り合いと瓜二つらしい。


『ルナ』

 ミレーナと一緒に、山奥のログハウスで過ごす少女。年齢は十六歳。

 数の少ない人狼族であり、銀髪の髪を持つ。ミレーナと暮らしてきたためか、性格はさばさばとしており(がさつという意味ではない)、決断も早い。かなりドライな性格で、身内認定した者でなければ彼女の中での優先順位はかなり低くなる。その反面、身内認定した者のことはできる限り知ろうとし、守ろうともする。


 晴香には劣るが魔術の才能にも秀でており、主に小規模の魔術を得意とする。だが、主力は双剣であり、魔術は相手に隙を作ったりする場合にしか用いることはない。第一章ではあまりスポットを当てられていないため、謎に包まれている。


『ミレーナ』

 樹と晴香を引き取った長身でスレンダーな女性。年齢は見た目二十代後半だが、ハーフエルフであるため実年齢はそれよりもはるかに高い。魔法が使え、晴香には専属で魔術を教える。「魔導士」という称号を持っており、魔法の能力は一級品である。


 静かな話し方をし、感情を荒らげることはめったにない。しかし、あまりスポットを当てられていないため、作中での過去は謎に包まれており、ルナ同様に謎多き人物である。


『後藤 竜也』

 樹たちと共に異世界へと飛ばされた人物。

 二十代前半で、面倒見のいい青年。樹たちのことを心配しており、再会した時はうれしさから涙をこぼした。


 日本では家族が経営する修理屋を継いでおり、機械の加工ができる(これは、持ち込まれる依頼品の部品の修理も行っていたためである)。こちらの世界では、セルシオの町の鍛冶屋に拾われて泊まり込みで働いている。樹たちの装備品を作っているのも彼である。


『ガルダ』

 セルシオにある冒険者ギルドのギルドマスター。目算三メートルを超す巨漢で、樹からは熊との印象を受けている。歳はかなりの高齢で、樹は七十代後半と感じているが、正確な記述はない。戦闘能力は少なくとも樹よりも高く、それが本来の年齢を予想することをより困難にしている。


 はるか昔、ミレーナから半殺しにされたらしい。


『レーナ』

 樹たちを最初に対応したギルドの職員である。二十代前半で、赤毛の女性。会話から察するに、ルナとは姉妹のような関係として慕われている。


『レオ・グラディウス』

 樹たちをジャイアント・オークから救った十代終わりくらいの青年である。その年齢でありながら王宮騎士団の主戦力に数えられるほど戦闘能力は高い。第一章でも、後先を考えなければ迷宮主であるゴーレムを一撃で倒すほどの実力者。精霊に好かれているらしく、大火力の魔法を使うことができるが、それを除いても基礎戦闘能力は高い。



『レグ』

 攻略隊の中にいた軍人。見た目は三十代前半の魔法士であり、階級は大尉。男性でありながらも独特の声を持ち、どこか悪人のような顔をしている。徹底的な合理主義であり、騎士の誇りというものは全く持ち合わせていない(平然と冒険者を消耗品として使おうとしたことからもうかがえる)。


 性格は良いとは言えず、慇懃無礼な態度を取り、大半の部下からは嫌われている。本人もそのことを自覚しているようで、自分の信頼を使った説得をしない。


 しかし戦闘能力は一級品で、その実力は迷宮内でも一人で行動して全く問題ないレベルである。そのため、軍では一応幹部の階級にもかかわらず、迷宮内で誰一人として護衛を着けていなかった。また、頭もキレる。


 本来は、もっと高級幹部の地位にいるはずなのだが、噂ではデスクワークが嫌いらしく、昔無理やり昇進させられた際は、問題行動を起こしまくって昇進を帳消しにしたというのがうわさされている。

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