第6話 正拳突き30回

 朝に起き出し、水で口を濯ぎます。

 そしてラジオ体操第一と第二を行い、体が温まっている状態で全身の力を抜いて足を肩幅くらいまで開きます。あくまでくらいなので、厳密ではないです。体重が両足に均等に乗るくらい。

 両手を腰の位置で止め、胸の前で両手の平を合わせます。見下ろせば自然に合掌の形が視界に入る感じです。

 目を閉じ、呼吸を整え、祈ります。

 祈る内容? 適当で良いんじゃないですか?

 ちなみに私はドラゴンさんの寿命が延びますように、とか祈ってます。


「余計な世話だ」

「竜殺しとかが来たらあっさり死ぬかも知れないじゃないですか」

「来るには来たが、鱗に埃一つ付けられずに燃えつきおったわ」

「さいですか」


 閑話休題ということで、祈りを終えます。祈りを終えた後、目は開けても閉じたままでも構いません。慣れれば、閉じたままでいけます。

 拳は自然に作る程度で、力はそんなに込めません。

 自身の腕のリーチを把握するように、最短距離で腕を伸ばします。最初はゆっくりと、で良い感じです。

 突く、という感じではないですが、突きをするためにも自身の腕のリーチを確認しておくことは大変重要です。私見ですが。


 これを左右の腕で行います。伸ばすのは一回で良いです。どうせ毎日やりますし。

 腰を僅かに落とし、膝を曲げて、『あ、ちょっと正拳突きっぽい姿勢だ』っていう姿勢を取ります。別にやらなくてもいいです。でも姿勢を取った方が全身の筋肉を使う印象があるので、健康的です。

 両掌を合わせ、僅かに祈り、利き腕のみを腰だめに構え、伸ばす……よりもちょっと早めに移動させます。拳を、リーチの終わりに置くイメージです。まだ突く、という感じではないですが、そんな感じでやっています。腕を伸ばす際、もう片方の腕は腰の位置に移動させると良い感じです。伸ばしやすくなるので。体感ですが。


 もう片方の腕の際も同様です。

 両掌を合わせ、祈り、突く腕のみを腰だめに構え、移動させる。

 カウントは、片方の腕で一回です。両腕でやると、二回という換算になります。

 これを計十回、ゆっくりで良いので行います。

 朝起きた時、昼ご飯の前、お風呂に入る前くらいに行い、一日三十回を目安にやります。やっています。そんな報告です。


「意味はあるのか? それ」

「理屈じゃないんですよ」

「然様か」

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