限りなく長門有希に近いブルー

「空は非常に暗かった。一方、地球は青みがかっていた。私はまわりを見渡したが、神は見当たらなかった」

−ユーリイ・ガガーリン


 ガリレオ・ガリレイは「地球は青かった」と言ったという。


 当時の学術界、宗教界は彼の論を否定し、彼は島流しの憂き目に逢うわけであるが、その際に見た海の青さを見て「それでも地球は青かった」と言ったのだという。

 それからおよそ300年後に、人類初の有人宇宙飛行に成功したユーリイ・ガガーリンは「地球は動いている」と言って当時天動説が主流であった天文学会を大いに震撼させたのだった。


 そして、天才バカボンのエンディングテーマでは「その日は朝から夜だった」と言ったのであるが、これは本筋に全く関わることがないので、この際、脇によけておく。

 ガリレオ・ガリレイは一説によれば「空は非常に暗かった。一方、地球は青みがかっていた。私はまわりを見渡したが、神は見当たらなかった」と言ったとも云われるが、どちらにせよ、当時の教会がこの言葉に激怒するのは火を見るよりも明らかであろう。


 ハルヒが、このガリレオの逸話を何かの本で読んでガリレオに哀れんだのか、それからというもの地球上にすべてのものは、人間の皮膚に至るまで青色になってしまったのであるが、元々青かった朝倉と、元々宇宙に存在した超知性を持った青色は依然青いままであった。


 しかし、これによって信号機の色はすべて青になり、青は「進め」、青は「気をつけて進め」、青は「止まれ」という非常に難解なものになってしまった。それによって発生した交通事故によって世界中の輸送機能が麻痺し、寒冷地などではすでに100万人以上の死者が出ているという。また、世界中が青一色に染め上げられてしまったせいで、レーザープリンターのトナー切れランプが青色になってしまい、トナー切れにとても気づきにくい、という問題なども発生していた。それによって1000万人以上の死者が出たという。


 古泉が尊い犠牲になったのも、このレーザープリンターのトナー切れによるものであったというのは、後で聞いた話になる。


 鯖の鱗も真っ青になってしまったため、鱗を見て鯖の鮮度を判断することができず、7万人の寿司職人が失職の憂き目に会い、白物家電は青物家電になり、桃色吐息も青色吐息になり、青色吐息は青色吐息になった。ピンク動画はブルーフィルムになり、特に意味合いは変わらなかった。


 「青は藍より出でて藍より青し」ということわざも、今回の騒動によって「青は青より出でて青より青し」ということわざになり、もはやなんの意味もなさない言葉となり、「朱に交われば赤くなる」ということわざに関しては、常々、「朱」と「赤」は、色鉛筆に「しゅいろ」と「あかいろ」が別々にあるのだから、違う色なのでは?と思っていたのであるが、晴れて「青に交われば青くなる」ということわざになり、俺の疑問は解消したわけである。


 かくして世界は青くなり、共産主義の脅威は世界から消え失せた。しかしガリレオを島流しに追いやった宗教を許すわけにはいかない。

 こうして、俺たちSOS団のメンバーは、地球上に存在する宗教の全てを根絶するために、旅立ったのだった。それが薄汚いアカどもの歩んだ道と同じ道であったとしても、俺たちは、ガリレオ・ガリレイの無念を忘れることはないだろう。


「Поехали!」俺たちは鬨の声をあげ、この世に存在するすべての宗教に、宣戦布告をしたのであった。


「限りなく長門有希に近いブルー」完

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