ウは長門有希のウ

飛行機に乗る前に長門が「こんな鉄の塊が空を飛ぶはずはない、私は降りる」と言って暴れ出し古泉のあばら骨が8本ほど折れたというのも、普段のハルヒの行いに比べれば随分可愛げのあるものであったが、というわけで俺たちはハルヒの、「カンガルーの脚力によって第2宇宙速度を超え、地球の周回軌道に乗ることは可能か」という疑問を検証しにオーストラリアまでやってきた訳である。

「コアラはきっと毒の爪を持っているはずよ!だって毒性のあるユーカリを素手で毎日ちぎってるんだもの」

と、意気揚々とオーストラリアに降り立ったハルヒは言ったのだった。

結果は散々なもので、古泉はカンガルーのキックにより12本の肋骨を折り、タスマニアデビルの大群に踏み潰されてさらに5本の肋骨を折った、ハルヒはコアラの毒爪によって苦しみながら死んだ。

 人間の肋骨は12対24本であるので、古泉の折れた25本目の肋骨がどこからきたのか、俺たちは首をかしげたのだった。


あと、長門は爆発した。


「ウは長門有希のウ」完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る