舞台は周辺国家と緊張状態にあるヴィリアイン王国。
心優しき王子、トゥーティリアは、正式な王位継承権を得るために「王子の宿題」に挑むこととなった。
王子に課された難題は、神の鳥に導かれるままに移動し生活する戦闘部族、キルティン族と武力協定を結ぶことだ。
なんとも普通の課題のように思えるが、一筋縄にはいかない。なにせこのヴィリアイン王国は一癖もふた癖もある連中ぞろい。よく言えば個性的、悪く言えば協調性が皆無に等しい大人達だらけ。
敏腕だが冷徹で何を考えているのか判らない宰相、王子溺愛の感情的な女将軍、彼女と犬猿の仲にして、自らの信念のためには王子すらも陥れかねない将軍。
彼らの上に立つ国王陛下は、超脳筋ときたものだ。
おいおい、この国、大丈夫か?
思わずつぶやきたくなる個性派ぞろいだ。
だが大丈夫、彼らには彼らの強い愛がある。
日々の生活に疲れを感じる人ほど、ぜひともトゥーティリアの旅を見守っていただきたい。
物語を読み終えた後、純真な王子のひたむきな思いに癒されていることだろう。