帝国機体設定

 作中に出てきた機体達です。

 ほとんど現実では飛べないと思います(特に参式飛行艇)。

 海軍機は旧字で、陸軍では常用漢字で制式化されています。

 制式化後の名称はどちらかに合わせるので海軍の装備にも常用漢字で記述されているものがあります。

 このページを見る人はある程度知識があると思っているので用語解説がありません。

 希望があれば書き足しますが、私自身理解していないことが多いので期待しないでください。



壱式艦上戦闘機

全長17.2m

翼幅23.5m

全高4.7m(垂直尾翼)

空虚重量 6,720kg

最大離陸重量10,100kg

全備重量 9,450kg(空中戦装備)

戦闘行動半径 1,500km(空戦装備)

最大出力 3,200hp ハ-56 海軍名 山水→ハ-64海軍名 湧水 3,600hp

離昇馬力 3,000hp(山水)

3,300hp(湧水)

4翅恒速プロペラ→5翅に変更→6翅二重反転プロペラ

プロペラ径 4.2m

武装

機関砲

弐式二二粍機関砲×4

 弾種構成、榴弾、徹甲焼夷弾、曳光弾

玖捌式一二.七粍機関砲×4

榴弾、焼夷弾、曳光弾

 撃ち分け可能12.7mmのみ、22mmのみ、各2門ずつ

航空爆弾 一式汎用誘導爆弾(光学誘導)

レーザー誘導装置


説明

 皇紀2601年に制式採用された大型艦上戦闘機。

 統合打撃戦闘機として陸軍での運用を前提とした型も計画されていたが、重心の問題が解決せず低速の安定性が悪いことから陸軍は拒否、海軍のみでの採用となった(このため艦上戦闘機にもかかわらず大型で高高度性能が高い)。

 大出力エンジン山水※1と重武装を備え、一撃離脱を主戦法においた重戦闘機。

 採用決定直後の段階では旋回性能の低い※2この戦闘機の導入に前向きでない飛行隊が多かったが、設計者である定方自身が旧大陸戦線で実戦を行い全戦全勝、重戦闘機の有用性を示し、評価が一転した(書類を偽造して出張→勝手に出撃、後で超怒られた)。

 この戦闘機が導入されるに当たって空戦カリキュラムが更新されている。

 機体そのものの性質としては中高度から高高度にかけて他の戦闘機の追随を許さない圧倒的な高速性能と低高度での高い機動性能を両立している。

 しかし、多気筒で長い山水を積んだこの機体は重心が悪く、重量ゆえに低速性能は良くない。

 大径のプロペラによる強烈すぎる反トルク※3も相まって着艦性能が悪く、全損失※4の62%が着艦事故によって発生した。

 さらに、機体が大型で母艦への搭載数が少なく、7t近い重量があるため整備された飛行場や母艦以外への着陸が不可能と言う問題も抱えていた。

 空戦性能は本物で一万メートルを超える高空でも水平飛行で時速700km/h出せ、0m-10,000mの平均上昇力は22.2m/sとなっている。

 搭乗員の評価も整備員の評価も高くなかったが代替のきかない高性能機であり、スパローの登場まで高高度では無敵であったため終戦まで用いられた。


 モデルはP-51typeD Mustang、A6M零式艦上戦闘機(名前のみ)、F4Ucorsair(こいつと違って下方視界は悪くなかった)


※1初期型に搭載された山水エンジンは整備性に難があったため順次湧水へと換装された。

※2別に旋回戦が出来ないわけではない。550km/hを越えるとぎゅっと旋回率が上がる。

※3充分な揚力が発生していない低速時には反トルクとプロペラ後流によって左に傾いた。

 また、右ロールは左と比較すると30%近く遅かった。

※4残りの内訳は27%が対空砲によるもの10%が空戦によるもの1%は着艦以外の事故及び故障によるものである。

信頼性は高かった模様


作者のコメント

 定方ってバカじゃね(特大ブーメラン)? こいつF-14とほぼ同じ大きさなんだぜ。

そして立派な未亡人製造機である。


零式陸上攻撃機

全長 27.8m

翼幅 35.5m

全高 7.7m(水平尾翼)

最高速度 660km/h

巡航速度 520km/h

空虚重量 25,100kg

最大離陸重量 53,000kg


全備重量

近接航空支援準拠 36,200kg

爆撃 49,000kg

雷撃 39,600kg


巡航距離 8,800km

戦闘行動半径 4,000km(爆撃)

実用上昇限度 13,100m


機関出力 ハ-56丙(爆撃機仕様)3,500hp×2

離昇出力 3,100hp

4翅恒速プロペラ 3.55m

兵装

爆弾

弐式対艦爆弾

一式汎用誘導爆弾

一式対車両爆弾

二式収束爆弾(不発弾が多く自軍にまで被害が出たため使用中止になった)

九九式地中貫通爆弾

空対地ミサイル 三式空対地誘導弾

魚雷 玖漆式航空魚雷

銃座 上部後方 、下部前方 、下部後方 玖捌式一二.七粍機関砲×12各4門


皇紀2600年に制式採用された海軍の重爆。

 爆撃機向けに高出力化し、燃費を向上させたハ56丙を搭載している。

 機体の大きさに比して推力が小さいため近接航空支援には向かなかったが、圧倒的な航続距離と参式飛行艇の空中給油によって帝国本土から太平洋を挟んで向こう側にある合衆国本土を爆撃するという離れ業を行った(丸3日を超える長時間任務だったため乗員が過労死しそうになったのは言うまでもない)。

 一応与圧室、空調、トイレ完備(排泄物は爆弾もろとも投下)。

 後期型はリモコン銃座を採用しており、乗務員の安全性を高めた。

 エンジンは爆撃機用に改修された際に整備性の向上が図られており、変形で抵抗が変化する導線などによる簡単な自己診断システムを備えていたことから重爆にしては整備が簡単だったため整備員の評価はおおむね良好だった。

 しかし、低空での運動性が悪かったことや複雑すぎるインターフェースのせいで乗務員からはボロクソに言われていた。

モデルはB-29 Superfortress、G4M一式陸上攻撃機(名前のみ)


参式飛行艇

全長 29.3m

翼幅 37m

全高 16.3m

最高速度 560km/h

巡航速度 350km/h

離水滑走距離 780m→350m(ターボプロップ仕様BLC込み)


エンジン ハ72瑞進 3,500hp×6→ネ-17-翅6,300hp×4

離昇出力 3,200hp

5翅恒速プロペラ

→8翅二重反転プロペラ

空虚重量 50,500kg

最大離水重量 102,800kg


全備重量

空中給油 101,500kg 常温ガソリン64m³

ガンシップ 76,700kg

電子戦 72,000kg(乙型)


巡航距離 10,000km

戦闘行動半径 4,000km(ガンシップ)


滞空時間 32時間(電子戦)


武装

機関砲 玖捌式一二.七粍機関砲×12

玖漆式二二粍機関銃×5

弐式対艦爆弾

魚雷 玖漆式航空魚雷


その他の装置

プローブ給油器

アクティブジャマー 参式電子妨害装置(周波数追従式3周波数帯)

ソノブイ 弐式浮遊水中探信儀


早期警戒機型

65号下方警戒電探(超水平線モード付き)


 皇紀2603年に制式採用された空中給油能力と電子戦能力を備えた大型飛行艇。

 零式陸攻にも勝る長大な航続距離をもち、飛行場のない臨時拠点からでも発進できた。

 この能力を生かして零式陸攻による帝国本土からの無着陸爆撃という離れ業を可能とした(なお乗員)。

 カツオブシのような胴体をもち、翼端には水中安定翼付き補助フロートが付いている。

 離水時の安定性が悪くマニュアルを守らなかったための事故が発生している(史実の二式大艇から)。

 翼端のフロートは外側に折り畳むことができ、これによってアスペクト比が向上するためこれは航続距離延長に寄与した。

 航空魚雷や対艦爆弾を用いた対艦攻撃も可能である。

 しかし、特筆すべき能力は物理的な部分より電子戦能力にある。

 6発の大出力エンジン(後に4発のターボプロップに換装)により、発電量に余裕のあるこの機体は高性能コンピューターと追従式通信妨害装置、電探妨害能力を備え、敵の作戦を妨害する事が出来た。

 また、非常に広い探知範囲をもつ電探を装備した早期警戒仕様機も存在する。


 整備性がすこぶる悪く、どの整備員もさっさと退役してほしいと思っていたが、後継機の開発に手間取ったため長い期間現役であった(故障の9割が電子兵装が原因で、分解に時間がかかり点数も多かった)。

 しかし、乗員の評価は良好でどの高度でも安定して飛行でき、低速飛行もお手のもので敵艦艇を撃沈したり、持ち前の電子戦能力で作戦に貢献した。

 また、零式陸攻の経験から居住性の改善やインターフェースの簡素化がされており、仮眠スペースが広くとられている。

 その快適性ゆえ、空飛ぶホテルとまで言われている。

 こんな設定になっているのに作中では一度も登場していない。誠に遺憾である


作者のコメント

アホなんですか? どうしてそんなにデカイものが良いんですか?


百式戦闘機(多用途戦闘機)

全長 12.3m

翼幅 17.7m

全高 5.3m(垂直尾翼)

最高速度 670km/h

巡航速度 420km/h

エンジン 2,500hp ハ49空冷 星形14気筒(海軍名 嵐風)

4翅恒速プロペラ

離昇 2,400hp

空虚重量 4,800kg

最大離陸重量 6,700kg

全備重量

空中戦 5,700kg

近接航空支援 6,500kg

戦闘行動半径 430km

武装

機関砲 ホ104(玖漆式)二二粍機関砲×4

九九式三○粍機関砲

一式対車両爆弾×2

二式噴進砲


皇紀2600年に制式採用された陸軍の戦闘攻撃機。

 空戦性能を保ったまま対地支援を行えるというコンセプトで定方が設計した試作機をそのまま量産化したもの。

 そのため、中高度以下での運動性能が高く、特に高度3,000m程度での旋回率が非常によい。低高度低速での安定性が良く、照準装置の性能も高いため多数の戦車、装甲車、対空砲を撃破している。

 また、非常にパイロット保護性能が高く、終戦までに多数の機体が撃墜されているが銃撃によってパイロットが死亡した事例は一例もなかった(死亡例の多くは落下死次いで傷口からの感染症、一人だけ食中毒)。

 片翼の半分を失ったまま帰還した、200発以上の弾丸を受けてそのまま任務を続行した、武装懸下試験飛行時に便器を搭載してそれが写真に撮られ一時騒然となった。など多数の逸話をもつ。

 高高度性能も悪くはない。


モデルP-47ThunderboltというかぶっちゃけA-10ThunderboltⅡ、A-1 Skyraider

 パイロットや動力部などの重要部分をチタン合金で保護するなど頑丈な設計になっている。

 大質量ではあるが、それなりに主翼面積が大きく、また大出力のエンジンを搭載しているため運動性は良好だった。


作者のコメント

 良くやったとしか言えない、この中の機体で一番まとも。

 定方が初期に設計した機体。



戦後機


超音速旅客機

SST-NA-128(飛鳥)

設計

Nacajima Aircraft(定方 哲二)

内部機器の一部 HONTA Advanced Technology Laboratory(本進技研)


製造者

Nacajima Aircraft

MITSUHISHI Industrial

KEWESEKI Industrial

KAWANICHI Aircraft

HONTA Motors

Nonstop&German

Being

LuckyMarch

エンジン

Ishikawa Hana Industrial

Role&Ruth

Blood&Whittle

Generating Energy



全長72.3m

翼幅22.56m

全高14.84m

空虚重量118,562kg

最大離陸重量289,450kg

航続距離24,300km

最高速度8,172km/h(理論値)

6,549km/h(実測値)

巡航速度 3,160km/h

短距離超高速便 6,480km/h(大西洋便のみ)

定員2名


乗員 320名Eクラス仕様機

120名Cクラス仕様機

70名Fクラス仕様機


離陸速度 520km/h

着陸速度 480km/h

離陸滑走距離 2,750m(オグメンタ使用)

3,450m(通常離昇)

着陸滑走距離 3,100m


エンジン ACJ-62-R×4

オグメンタ付き三流可変サイクルラムターボファン


燃料

液体水素、ケロシン

ファンバイパス比0~1.2

コアエンジン

八段軸流コンプレッサー(三段低圧、五段高圧)高低それぞれ逆転

圧縮比16.5(抽気時)~31.2

タービン前温度1,850℃

三段タービン(二段低圧、一段高圧)

アニュラ型燃焼室


モード

通常離昇

全速運転

上昇中間巡航

Mach1.6~2.5

超音速巡航Mach2.5~

リバーススラスト


各モードの説明

通常離昇

外部ダクトを閉じ、ファンダクトを絞ってコアエンジンの推力を最大限に活かす。

オグメンタ離昇(全速運転)

外部ダクトを閉じ、ファンダクトを全開にし、大きなバイパスをとってオグメンタの効果を上げる。

中間巡航~Mach0.98

オグメンタを消火し、外部ダクトを開けて低燃費運転を行う。速度が上がるにつれてファンダクトと外部ダクトを絞る。

遷移加速 Mach0.98~1.6

全速運転

Mach1.6~2.5

ファンダクトを絞り、速度に応じてコンプレッサーから抽気して圧縮比を保ち、オグメンタを消火して緩やかに加速する。

超音速巡航Mach2.5~

外部ダクトを開き、タービン圧縮セクションを徐々に停止してオグメンタを燃焼室として使う。

リバーススラスト

外部ダクトを開き、噴射ノズルを閉じて噴流を逆流させる。


機体説明

 戦後、定方によって設計された大型超音速旅客機。

コンピューターによって三層に分かれた気流を精密に制御し、各飛行フェイズにおいて最も効率的なモードを選択するACJ-62-R可変サイクルエンジンを搭載している。

 機体にはいくつかの突起が付いており、機体先端や、翼から発生した衝撃波を打ち消すように設計されている。

 このため造波抵抗が従来の超音速機と比べて格段に小さく、エンジンの特性から長距離を超音速飛行できる。

 また、ソニックブームが小さく、低い方の巡航速度であれば陸上の通過も問題ない。

 全面的にフライバイワイヤを利用しており、離陸から着陸まで全てフライトコンピュータが操作するためパイロットはほとんど操縦棹に触れることなく操縦できる。

 着陸時のサポートが強力で低速では不安定な翼型であるにもかかわらず、毎秒風向きが変わるような環境でもランディングギアが滑走路に触れるまで揺れを感じないほど。

 試作段階から運航中現在まで一切事故を起こしていない。


 全体的にシンプルな構造で、大型の機体であるにも関わらず部品点数が僅か四十万程度しかない(現代大型旅客機のおよそ10%、乗用車四台分の部品点数)。

 これは、巨大な胴体部を一体成型して、インターフェースを操縦桿と液晶タッチパネルだけにしているため。構造的に頑丈で操縦も簡単であるが、気が狂ったとしか思えないほどの高価格化を招いた。

 当初、一機五千億円という超高額になっていたこの機体はしかし、統一政府の意向により大量生産され、各地の航空会社に無理やり押し付けられた結果、千五百機を超える大ベストセラーとなり価格も一般的な大型航空機と大差なくなった(部品が少なく生産が簡単なので一機当たりの作業コストが安い)。


 就航路線は軒並み超音速路線であるが、外部ダクトと可変バイパスターボファンの効果で亜音速時の燃費も悪くないため亜音速路線の開設も不可能ではない(元々の計画では亜音速路線も全て同型機で置き換える予定だったがリスク管理上あり得ないので却下された)。

 燃料はケロシンと液体水素のハイブリッドで、極超音速路線では予冷剤兼燃料として液体水素をメインに使う。

 経済的ではないが、この路線ではスピードが重要なのであまり重視されない。

 極超音速飛行時には大気の断熱圧縮によって機体が超高温に曝されるため重整備が必要となる。

 遮熱塗料の塗り直しなど、手間は掛かるが優秀な自己診断システムによって修理箇所を完全に特定できるため保守自体は簡単(塗料が高いので極超音速路線の利用金額がアホみたいry)。


 エンジンが4発も載っているのは使用例の無いエンジンであるため、本当は2発で充分。


ACJ-62-R(Adaptive Cycle Jet)適応サイクルジェットエンジン


 これまでの速度によって大幅に燃費が変化するという常識を覆す革新的な(innovative)性能、これを実現するために集約された(integrated)機能、それらを余すことなく活用する知能(intelligence)を持つという3iを前面に押し出した宣伝を行った。


 機能を集約するために大型化し、重量が嵩んだためこのエンジンを搭載できる機体を設計できる会社が無く、定方に依頼が来て、飛鳥を設計する切っ掛けとなった。

 デカくて重いので比推力はよろしくない。


モデル

 超音速旅客機という意味ではコンコルド、実際は現在計画進行中の新しい超音速旅客機を意識している。


作者のコメント

 大分無理のある設定ですね、完全に私の妄想です。

 ジャンボB-747より少し小柄な機体に大推力のエンジンを4機、それを極超音速で飛行させる。

 男のロマンというやつです。この機体にだけは飛べなくても言わせてもらおう。

 定方良くやった。


次回は合衆国の機体設定です。

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