第十八章 送信された霊魂

 『 ツバサ、僕をパソコンに送ってくれないか?

                      秋生 』


 『 パソコンに送るってどういうこと?

   秋生、いったい、おまえは何をするつもりなんだ?

                       ツバサ 』


 『 携帯から、パソコンにメールを送信してくれ、

   僕はその電波に乗ってパソコンに入っていくから、

   モンスターランドへ行って、ナッティーを助けたい!

                          秋生 』

 

 『 ちょっと待て!

   秋生ひとりでは行かせないぞ!

   僕だって、ナッティーを助けたいんだ!!

                    ツバサ 』


 『 そうか、分かった。

   僕が先にパソコンに入って、あのフリーズした

   画面を何とか直そう。

   そうすれば、ツバサも二次元に再び入ってこれるだろう?

                             秋生 』


 『 プリーズ! あのフリーズを直してくれ!

   僕も二次元に入って、一緒に戦うんだ。

   今度は死ぬ時も一緒だぜぇー! 

                    ツバサ 』


 『 いや、すでに僕は死んでいるから

   これ以上は死ねないさ(笑)

                 秋生 』


 『 たしかにぃー(笑)

   じゃあ、パソコンに秋生を送信するから

   画面を直したら、僕を呼んでくれ


   何日でも待つから、秋生、おまえに頼んだ!

                     ツバサ 』 


 『 ツバサ、ナッティーを助けるために

   一緒に、敵と戦おう! 今度こそ僕は逃げないで戦うよ!

                             秋生 』


 携帯から、パソコンのメールアドレスに秋生を送る準備をする。


 人と争うことが嫌いだった秋生が、自ら『戦う』という言葉を使った。

 それほど、あいつは『見えない敵』に対して強い怒りを持っているのだろう。

 それにしても敵は卑劣過ぎる。いたぶるように、パソコンの画面にナッティーを閉じ込めたやり方は悪趣味だ。これ以上、ネットのイジメで死者が出ないように、僕らはあの敵と戦って退治しなければならない。

 

 秋生、頼んだぞ! 心の中で念じながら送信ボタンを押した。


 ――メール送信が完了。


 果たして、上手くパソコンの内部に入れたかどうか心配だが……。

 今は秋生の霊力に頼るしかなかった。僕はドキドキしながら、秋生からの応答を待つことにした。


 今度は絶対に逃げない! 仲間がいれば、僕だって最後まで戦い抜いてみせる!

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