第一章 光幻高校入学
第1話 無ト虚
………………………夢だ。
と、
辺りは、白で覆われていた。
白…だろうか?その色は、白というには、存在感など皆無で、あまりに無機質だ。
無、無、無、無………
あぁ、でも一つだけ。
こんな、虚が支配する空間にはあまりに不釣り合いな、圧倒的存在感を持つ、今、白夜が寄りかかっている巨木。
なんとなく、
白夜は、いらない厨二知識を頭の中で展開させた。
天にまで届きそうな美しい幹も、根も。
虚この空間には、風など存在しないはずなのに時折ゆさりゆさりと揺れる、その世界の理を無視した葉も。
みーんな白。つか、銀?
まぁ、ともかく、どちらにせよ、この世界には、色という概念が存在しないらしい。なんて、つまらない世界。
けれど、それが存外悪くないと思っている自分に白夜はハッと笑った。
まだ……
俺は〈人〉を捨てきれていなかったのか…。
白夜は自分の髪の毛先を二本の指でもてあそびながら、ぼんやりとその様子を見つめる。
感傷に浸るのはそのくらいにしておいて。
よっ、と白夜は腰を上げ虚この世界の端へと足を向けた。
てくてくてくてくと歩き続けて、もう何分?
この、無で覆われている世界の中、どこが端で、どこが出口で、もっと言えばどっちが前なのかもわからない。
でも、〈終わり〉は確かにソコに存在していて。
ソコを白夜が一歩越えた瞬間。
白夜は向こうから唐突に迫ってきた光に呑まれた。
そして、無と虚に覆われた世界の中で唯一。
白夜が
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます