第11話
朝、女の子と電話できた。
30歳を迎える童貞にとっては幸運な1日じゃないか。
魔法使いになった俺は、自分にそう言って言い聞かす。
今日は、良い一日を過ごせる気がする。
なんか、少し勇気が出た。
仕事が終わり会社の前であの人を待とうと思ったけどストーカっぽいのでそれは避けた。
嫌われたら嫌だし……
押しが弱いと言われればそれまでだが、こういうのは相手の好きな人がやってこそ押し倒れてくれるわけで……
そうじゃない人が押し倒せば、逮捕されるんだ。
こうしていっぴきの草系男子が産まれる。
草食系男子を超える臆病な男。
肉食系女子が苦手で肉食系女子が相手にしない存在。
それが草系男子なのだ。
そして、俺は怯える……
どんなメールを送りどんな話をしてどんな行動を取ればいいかがわからない。
デートの誘い方ひとつ知らない。
なので、同僚であり友人である菊池にメールしてみた。
『普通の会話でいい』
その普通がわからないのだ。
悲しきかなそれもモテない男のさだめか……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます