第10話

 俺は、素早く朝食をすませて会社に向かう準備をした。

 そして、その途中でスマホが震える。

 俺のスマホが光って唸っている。

 電話?知らない番号からだ……

 でも、でよう。

 今すぐ、でよう。

 俺は、スマホをタップして電話にでた。


「おはようございます。

 橘です。

 えっと昨日の……」


 昨日の女性の声だった。

 でも、俺はこの人に電話番号を教えていない。

 さて、どうしようかな。

 この電話を今すぐ録音して保存しようかな。

 異性からのはじめての電話……

 普通なら警戒するのが経験豊富なモテない男の本能。

 でも、知っている人からの電話だとそうは思わない。

 知っていると言っても少し話した程度……

 でも、気にしない。

 それが、モテない男。妄想男子なのだ……

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