第4話

 だけど現実は甘くない。

 彼女なんてもちろんいたことないし女の子と話したのは10年前。

 卒業式のとき。


「おはよう」


 世間一般ではあいさつと言われている。

 でも、それ以上の会話ってあるだろうか?

 いや、ないだろう。


 俺みたいな男は、そのへんにいっぱいいる……はず。

 そんなヤツがサラサラのロングヘアーの優しそうな女の子に声をかけられたら……

 きっと100人中99人はこう思うだろう。


『もしかして、この人……

 俺に気がある?』


 でも、違う。

 ありえない。間違いだ。

 心と頭と体では、わかっているはずなのに心の奥底で悪魔のささやきが聞こえる。


『YOU!やっちゃいなYO』


 全くをやれと言うのだ……

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