ベルゼブブ
うみぜり@水底で眠る。
朝:全校集会
端的にいって、俺は、あの女の事が嫌いだった。
「えーと、はい、正直、良く分からないので……今後も助けて頂けると、えと、とっても嬉しいです!」
朝の全校集会。
うちの高校では週に一度、月曜の朝にやるそれは、必ず生徒会が今後一週間のスローガンやら何やらを語る。
体育館の壇上で、生徒会役員の面々が一人ずつ、それぞれの抱負を語るのだ。
庶務、監査、会計、書記、副会長、そして会長の順に抱負を語る。
皆、一応生徒会役員を務めるだけあって、それなりの事をそれなりに語る。
たった一人、今壇上にいる女を除けば。
「これからも、一生懸命頑張ります!」
握り拳を作って、まるで内容が無い意気込みだけを語る、無能な副会長、望月あかり。
容姿端麗、八方美人。
しかし、成績は並で、スポーツに至っては、丸で出来ない。
喜怒哀楽がハッキリしてて、勉強もスポーツも出来ないけれど頑張り屋で、誰に対しても笑顔で接する、とびきりのリベラリストでフィランソロピスト。
みんなが愛する、清楚で可憐な生徒会副会長様。
……と、いう事になっている。
重ねて言う。
俺は……宮野和也は、あの女の事が、嫌いだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます