路線ものがたり
平城山 松前
東急目黒線 日吉→目黒
今日は天気が良い。あと母に聞いたんだが、今日のことを「大安吉日」というそうだ。僕はよくわからんが。
まぁたまたまそんな日に僕は昔住んでいた家に尋ねるという旅をしていたのは幸運だ。幸運なのか?まあいい。なんだかんだ言って結構長くこの家に住んでいたからなぁ…住み心地が良かったんだろうなぁ…愛着も湧いているし、離れたくないと思ってしまうけどもう他人の家だからなぁ…
なぜ引越したかの説明をしておこうか。家の近くに武器の倉庫があってな?結構小さかったんだけど、当時戦時中で臆病だった親父が「その武器の倉庫を狙って敵国が空襲をするかもしれない」と恐れて引っ越したんだったなぁ。あ、夜逃げとかそんなんじゃないから。
あれから俺は今の妻と結婚して顔が丸い可愛い子どもを生んだ。新生活も始まった。
結婚するとほとんどの場合片方の名字が変わるけど、たまたまうちは同じ名字だったから変わらなかったんだ。変わった名字ではあるけど。
と考えているうちに幼い頃の遊び場についた。田園風景が綺麗なのは今も変わらずか。いろいろなことがあったな。布が飛んできたり、自然のメロディが聞こえてきたり。あの布はどこかの洗濯物だったのだろうか。
ここでも遊んだなぁ。結構奥まったところにある小さな渓谷だからここでは秘密基地なんて作ったっけ。
と、旅しているうちに昔の親友にあった。びっくりしてさらに感動して「おぉぉ、加山」と深く考える前に口走ってしまった。今考えると加山じゃなかったらただの変な人じゃないか。
加山は卒業したあと、一度は職についたが足を洗ってまた新しい職を探しているらしい。あいつは良いやつだからきっとすぐ職が見つかると思う。
加山と別れ少し西の方に歩いて行くと、また他の昔の親友に会った。「小山」だ。あれ?俺の親友、「山」がつく人多くない?そんなことないか。
小山もまた武器の倉庫に恐れて引っ越したらしい。もちろん夜逃げではないとも言ってた。とても親近感が湧いた。
また小山と別れ、少し行きたいところがさらに思いついたので行ってみることにした。よくお参りに行っていた寺だ。不動明王を祀っているらしい。その御前にて少しまたお願いをした。
「家族全員で安全に暮らせますように。」
さあ、旅も大詰めだここまで一応最初に巡ろうと予定していたところや、さらに巡ろうと思い立ったところまで安全に行動できた。確かに今日は「大安吉日」だな。
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