003 こんなところにあったのか
「場所は、東京都の神保町よ」
「えっ、そこって、……」
「そう、紙の本の街よ」
「そうなの?」
「えっ、じゃあ、あなたは何を言おうと……」
「カビ臭い町」
「……」
「……」
「……」
「なんか、まずいことでも言った?」
「言ったわよ。神がいる神界と、この下界が繋がりやすい場所には条件があって、その中で最も大事なのが、デジタル化が進む前とさほど変わらないってことなのよ!」
「はぁ」
「しかも、私の好きな、''幻想古書店でコーヒーを''シリーズの舞台を馬鹿にするとは、いい度胸をしてるわね」
「あのー、サイバーセキュリティーコンテスト出場作品なんだから、そろそろネットの話に〜」
「なんのこと?」
「まあ、いいか。それで、いつから行けば……」
「明日からよ」
「明日!?」
「夏休みには限りがあるからね。もう8月になっちゃうんだよ。時間は有効に使わなきゃ」
「わかりました」
「詳しいことは、今日、郵便が届くから、そっちを確認してね!それじゃあ」
「えっ、ちょっと」
次の瞬間、窓からの夕日が心地いいぐらいの時間になっていた。
「ナオツグー、郵便が届いてるよ~」
「本当に、届いてる。でも、本当に……」
届いていた。しかも、内閣サイバーセキュリティーセンター・国内電子情報管理局・電子書籍消滅対策課という、なんとも長く、漢字が多いところから来ていた。
「どこからきてたの?」
「国から」
「?」
「はい、これ」
「ほんとだ。なんで、えっ、なんで?」
「さぁ?」
「''さぁ''って、とりあえず、中開いてよ」
数分後、サンちゃんの言ってたこととほぼ同じことが、わかりやすく書かれている。内容は、こうだった。
To be continued ……
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