2#雛の巣の下で
ぶしゅーーーーーーーーーっ!!
ショッピングセンターでは、産まれて間もない4羽のツバメの雛達の居る蛍光灯の傘にある巣の真下で、動物の可愛い絵が描かれたカラフルなゴム風船にヘリウムガスを入れて膨らませていた。
「僕は緑!」
「私は黄色!」
ピエロの衣装を纏った店員は、集まった子供達に膨らませた風船を、集まってきた子供達に配っていた。
パァン!!
真下で風船の1個がパンクしても、まだ目の開かないツバメの雛達は動じずピーピー鳴いて、美味しい餌を持ってきてくれる親ツバメの帰りを待ち続けた。
ひゅーーーーーーー!!
親ツバメのレッシュとフーレは、カラフルな風船を持ってはしゃぐ子供達の間を縫って雛の待つ巣へ飛び、
苦労してとってきた餌を、愛する雛のもとへ運び与えてきた。
「たーんとお食べ!!」
ピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピーピー!!
雛達は皆、甘えた鳴き声をたてて親ツバメの持ってきた餌に群がって食らい付いていた。
「また取って来るから、待っててね!」
雌ツバメのフーレは、目を細めて小さな嘴を大きく開けて、えさをまだまだねだる可愛い我が子達に言い聞かせるとまた、
ひゅーーーーーーーー・・・
と、ショッピングセンターから外に出てまた餌を探しに飛んでいった。
「ねえ、見た?レッシュさん?」
「何を?フーレちゃん?」
親ツバメは、一緒にランデブー飛行をしていた。
「我が子のいる巣の下。」
「確か、人間の子供達が丸い変なプカプカ浮いた球を持ってたねえ。」
「あの風船・・・」
「ふうせん?」
「何か、不吉な予感がするんだ。」
「大丈夫さ!!俺が雛に何かあったら、やっつけてやるさ!!」
「ほんと?」「本当さ!!さあ、餌だ餌!!雛はお腹をすぐ空かせちゃうからね!」
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