a diary

序「ある少女の、ある日の日記」1

○月×日(月)




 はじめに書いておくけれど、私は「特別な人間」じゃない。


 なんの裏の意味も込めないそのままの意味で、どこにでもいる、凡庸で、平均的で、普通の人間だ。でもそれは、「特別なところが一つもない」ということじゃない。

 人間、誰しも、特別なところが一つくらいある。

 全部が同じ人間なんて、この世に存在しない。ドッペルゲンガーでもいない限りはだけど……その話は、私はあまりオカルトに詳しくないので、わざわざすることもないだろう。

 とにかくそういう意味も含めて、私は、「普通の人間」なのだ。



 ……さて。

 前置きが随分、長くなってしまった。



 どうして、私がこんなことを書いているのかというと、それは、今日、そう書かずにいられない出来事が起こったからだ。私が……凡庸な私の人生が、もしかしたら、もしかしたら少しだけ「特別」なのではないかと、少しだけ思ってしまった日だからだ。

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