異世界転生したらオークだった件について

@mackio12

プロローグ

松山光は平凡な人間である。

運動能力普通、頭も良いわけではなく、悪いわけでもない。

ただ、ラノベ愛だけは平凡ではない。

そんな現役高校生だ。

そのはずだったのに―

今はどこか広い草原に横たわっていた。

一体何があったのだろうか。

体が妙に硬い。そして、やけに動きずらい。

本当にこれは自分の体だろうか。

俺はそっと手を見ると絶句した。

なぜなら、そこにあったのは不潔な黒い手だったからである。

とても現実のものとは思えない。夢だ。

きっと夢に決まっている。そう暗示しながら、つねってみた。

―痛い。

近くの木から飛び降りてみる。

―やはり痛い。

というか、かなりの怪我になりそうだ。

馬鹿なことをした。頭では現実だととっくのとうに気がついているハズなのに・・・。

でも、体がそれを認めようとしない。

こんなことしたって無意味だ。

これは夢ではないのだから。

ならばここはどこなのか。

いや、分かった。というか大体の状況も掴めた。

俺は何者かによって異世界に転生させられたのだ。

よくあるパターン。ラノベ好き諸君は羨ましいと思うが・・・。

残念ながら、今は最悪な気分だ。

憧れの異世界転生。でもまさかソレガ人外。

エルフとかなら許せた。けれど自分はオークだ。

あの薄汚くて、性格が悪くて、女好きの最低な豚やろう。

まったく、どうしろってんだ!

「ギュービhぢjw(これからどうしよう。)」最初に出たのはそんな言葉だった。

ん?言葉ではない、今のは完全にオークの言葉だ。

オーク語なんか覚えたつもりないんですけど。

というか覚えたくも無いんですけど!

しかし何だろう、さっきから顔に息がかかる。

恐る恐る振り替えって見ると・・・

剣を構えて立っている男がいたのだ。

まずい、退治される。

これ、俺TUEEEだったら必須のイベントだけど。

確証はない。もしも俺YOEEEだったらジ・エンド。

転生初日で人生終わりだ。そんなのは勘弁。

というわけでーーーーーー

全力で逃げる!

そんなこんなで、異世界に来てさっそく、冒険者に追いかけられています。

これが主人公の大変さか。

というか、ホントに俺は主人公なのか?

最弱から最強になるタイプ?

それとも、そう思わせといて、最後までモブキャラ?

なんか、思ってたのと違うんですけど!

ここで終わるのか、俺の人生!

そもそも向こうで死んだ覚え無いんだけど!

も~、最悪だ!!

なんでこうなった~!

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