卿もパイ乙AーEそるじゃー

いすみ 静江

おつかれーしょん

 西暦二〇三五年の平和なニホンに綺羅星の如く現れた戦士がいた。


 その名も『えーいーそるじゃー』……!


 Aカップのココロ、Bカップのユウキ、Cカップのマシロ、Dカップのヒナタ、Eカップのデイジーだ。

 彼女らに中の人はいない。

 日々、平和を守るため、おきゃんなお仕事に大忙しだ。


「アーハン卿、新曲が出来上がりました」


 ユウキは、戦闘服の下で胸を寄せるバンドをつけている。

 新曲のデモカプセルを重力波動でアーハン卿に渡す時、ドジった。


「ふぐほふへ!」


 アーハン卿の額にデモカプセルをぶつけてしまった。

 と、同時にアーハン卿が奇怪な行動に出る。


「A-Eそるじゃー! 出勤せよ! VVヴイヴイコンサートホールでぱーりーじゃ」


『らっじゃー!』


 一瞬にして、VVコンサートホールに立つ。


 五人がはねるが、ぼいんのはね方が違うのがポイントよん。


「よーし、今度のぱーりーの相手は素来夢すらいむさんと聞いたわ」


 リーダーのデイジーが胸の大きさに任せてぷりんと舞った。


「新曲で勝てるわよ」


 人一倍家庭的なユウキが新曲を聞いてみる。


『のーみそ、すかすか、ぱららっらー。全てはバストにるんるんるー』


「何、この歌詞、素来夢さんに負けちゃうわあん」


 気の弱いココロが泣きそうだ。


「だんめ、これでいこうよ」


 マシロは唇が艶っぽい。

 バストはさほどウリではない。


「どこへ逝く?」


 ヒナタは少々中二な少年らしさがある。

 しかし、推定小六と呼ばれる。


「まだ、逝かないで!」


 ココロが泣いてスカートにすがったら、脱げかけた。


「いつならいい?」


 ヒナタがプッシュプッシュ。


「ラストバラードを歌うまで、私たち、逝っちゃいけないの」


 ココロとヒナタの小劇場が展開していた時だった。


「ハーイ。真血流堕まちるだアナです。素来夢さんの登場ですよー」


 会場は静まり返り、観客の視線は一気に素来夢に行った。


『しゅらーいむ。しゅらーいむ。しゅらーいむ』


神曲かみきょく、『しゅらーいむはいつもかみ』でしゅた」


「くやしー。バトルは続くわよ」


 デイジーがポーズをキメ、みんなもキメキメキメた。


 

 だが、しかし。


〆 終わりだ。(作者・真白 小雪ましろ こゆき


「むきー、ばきー」


 総乱闘となった。

 バトル、やれるじゃん。




「……私が終わった」


 じ・えんどな真白 小雪は、パソコンの充電器を亜空間に投げた。



「きゃあーん、それ、なしなしー」


 A-Eそるじゃーはみんな、亜空間へ充電器を探す旅に出た。


 ――基地。


「帰って来ないな……」


 アーハン卿は、昔の自分の歌、『お一人酒ひとりざけ』を歌った。


『おつかれーしょん』






おちまい

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