スレンダー同好会

すぺえど‐クルネラ

桧谷恋という名のパシリ

「ア~ニキ!パン買ってきたッス!」

俺の目の前には私立渓匠高校の購買部で買ったであろう焼きそばパンと明るいショートの茶髪と猫目、八重歯で小柄な体躯の女子がいた

で、言うとその女子は猫目を線にしてニコニコしてるわけだ

言っていい?


頭痛い


・・・いや。確かに顔はかわいいし、そこはいいんだ

問題はそこじゃなくて

「あの、桧谷先輩。なぜ俺をアニキ呼ばわりするんですか」

「いやッスね~!ウチは姐(あね)さんの事を姐さんと呼んでるッス!ならあなたはアニキッス!」

「あんたの方が先輩です!!血も繋がってません!!結婚過程で義理設定もありません!!それでアニキ呼ばわりされたら同じクラスの生徒(奴ら)に変な目で見られるんです!!気づいて下さい!!」

俺は一息でそこまで言うと盛大に息切れした

言われた当の本人兼先輩女子はというと、膨れっ面しながら

「む~っ!そうは言うッスけどウチは姐さん、あなたのお姉さんがリーダーをやってるレディースに入ってるんス。で、そこでパシリしてるッス。だったらその弟であるあなたにはアニキ以外呼び方ないッスよね」

「苗字で呼べば済む話です!!そこで固定にしないで下さい!!」

「ま、てな訳で金は頂いたんで帰るッス!」

「おい!ちょっとあんた!!呼び方替えて!!来るのも控えて下さいよ~~~!!」

いや、優先順位があるだけで来られるのも結構恥ずかしいですし

そうこうして教室からそそくさと出たあの人、名を桧谷恋(ひのたに れん)という



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