第6話 見知った名前

 図書館の仕事で入荷した本の整理をしていると見知った名前に再会した。

 あの人の本……出たんだ。

 まだ一緒の頃、あの人は本を書くのに夢中で全然私に構ってくれなかった。

 淡い期待を込めて中を見る。

 中は難しい単語ばかりが並んでいた。

 教科書として学生に売れるといいね、教授。

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