頬擦る、壁

寂しさに流す涙を隠す為、壁に頬擦りすれば

ヒヤリと硬く、ざらついた感触が


表面にまぶされた埃にジンワリと悲しき潤いを


染みつく侘しさ 無感情にへばりつく

確定した瞬間に腐り始める 『それ』

観測の刹那、終了する 『今』

見えない指先の向こう 『その先』


思い浮かべてもどうしようもなく

そこに在るのがどうにも恐ろしくて


倒れても止まらない

嘆いても終わらない

焦れども動かない


サラサラとした心の溶液


瞳の穴から漏れていき


グズグズに崩れて乾く

真っ黒に干からびていく


そして朝がまたやってくる

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る