繭は月に包まれて

星もまだらな夜の底


緑色の草の上、そこに繭があった


細くて白くて淡い糸


それの集合体


草の上で夜風と共に揺れるそれ


中身は何でしょう?


中にいるのは誰でしょう?


問われる声も無く繭は草の海

その上でゆったりと浮かんでいる。


月明かりは急かすように、でも穏やかに降り注ぎ


それはゆりかごのように


それは母が包み込むように


誰もいない草原で


繭は月に包まれ草の波間で


ただユラユラと

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