4畳の部屋を駆けていく小人

い草で拵えられた地。


青草から色は抜け、薄黄土色に染まる平原に立ち


見上げれば閉じられた大箱の天井

はるか上空に。


その裏面に貼り付けられた白紙

東にそびえたつ大窓からの陽光を反射して光り輝く。


ささくれて毛羽立つ荒地、それでもかつて吹き荒れた青臭き匂いはいまだ残り


畳の縁、隔絶するクレバスの間を飛び越えて向かうは限界の先


練り上げれた砂の壁に走るひび割れた暗闇の奥


その先は見えない。 だからこそ進む価値がある


いつまでもここには居られない。


居たくはない。


そびえたち隔絶する果て


あるからこそその先を見たい


決意に大小は無く


思いに高低もなく


ただ果ての果て


その先を見据えた小人は疾駆する


家賃38000円。 4畳一間の地を駆けていく。

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