『前を向くことを決めた』
足取りはふらついている
前か後ろか?はたまた横なのか?
右に左に斜めから前と後ろ
どこに向かうかもわからないうろんで愚鈍なうろつきステップ
踏みしめるたびに舞う白き粉塵で視界は白くキラキラとしている。
その中で俺は恍惚としていればよかった
進む道のことなんて考えずにただただタイムアウトになるまでそうしていようと思っていた
恍惚に。 微睡んで。 ニヤニヤと。
けれどそうすることにも飽きてしまったんだ
何もしないということは何も得ることはない。
どうせ何も残らないのだから無駄なのだと瞳をつむっても心臓は何かを期待するように鼓動を打つ。
だから進むことにした。
進むべき道なんてわからない。
とりあえず片足を動かすと決めた。
次は逆の足を。 そしてそのまた逆の足を。
身体はその場から動いていく。
見えぬ先の恐怖と期待で心が高鳴る
進む方向をいま決めた。
今からそこが前方だ。
つまり前を向くことに決めたんだ。
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