第2夢

あれは一体なんだったのか、今でも僕は分からない。

夢の中では僕は高校生であり、現在進行形で遅刻しかけている。走って学校までかかる時間は多く見積もっても15分。坂を駆け上がって行き、電車道が見下ろせる陸橋を走り抜ける。結局遅刻してしまったのだが…

落ち込んでいるところに友人から

「おまえ、遅刻しそうになったら近道を使えばいいじゃないか」

友人の言う近道とは先程駆け上がった坂に向かう前に脇道があるのだがそこに入っていく。すると目の前には軽い山があるので道なりに進むと先程の陸橋とは異なる陸橋を渡ってしまえば登校時間に5分とかからないのである。しかしその道は先生達が通ることを禁止している。理由は住宅街だからとの事。

遅刻常習犯である僕はやはり翌日も遅刻しそうになった時、友人に言われた近道を思い出した。そのお陰あって僕はなんとか先生の出席表に僕の名前の欄に遅刻した証拠である「遅」を書かれずにすんだ。

ある日の事いつも遅刻しかける僕は珍しく早起きをして早い時間に登校をした。近道では無く正規の学校が指定した登校道を。そして陸橋を歩いてる最中にふと

(自分達が普段近道として使っている陸橋はこの陸橋から見て左にあるのだろうか右にあるのだろうか)

右を見てみるが無かった。右を見て無いのだから、当然に左にあるわけで…

左を向いてから僕はゾッとした。ゾッとしてから、5秒も経たないうちに全力で走り出した。

橋がなかった訳では無い。

橋の上にいたのである。およそ同じ人間だと思えないくらいのやせ細った身体、長すぎて地にも着きそうな髪、枝のように長い手足。風が吹けば遠くに飛ばされそうな奴が全力頭を歌舞伎なんかで見る獅子の舞?の様に髪をグルングルンと回すのである。


あの日以来僕は近道をせず遅刻をしないギリギリの時間で学校に行ってる。


目が覚めそうになった時、でかい獣の悲鳴が聞こえた。

結構怖かったし気持ち悪かった…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る