井戸に声
井戸の中、目が覚めると
、いつも外に向かい
おい
声をかけるが
覗き込む先に
は誰もいない
それでも僕は、
誰かいる
と声をかける
誰もいないのは、
井戸の中の僕の中、
鼓膜につづく一本の線、
それを震わす氷点下のとげ
咎
僕に罪を具現化
させる為に訪れ
た冬であって辛
辣な吹雪の中か
らひとつひとつ
雪の結晶を摘む
、それこそが僕
の罪であると知ったとき、こ
わくなって逃げだそうとした
が、それは容易ではなく、逃
げ出すまでに長い年月を要す
るのは、必然であったのだと
確信したがそれはもう後ろに
まで近寄ってきていたのだ。
咎
誰かがいたと
、今でも、信
じていて、そ
れは過去に一
度、そこに、
井戸の底に、
僕
を見たから。
底にいた
のは間違
いない僕
そこは僕をしっかりと締め上げる
井戸の底から見上げる時の僕の空
まるく縁取られてしまった空の底
未来はどちらの底に束縛されるか
咎はいつまでも僕を離しはしない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます